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TOP 素木しづ 短編(30分以内)

30分以内で読める素木しづの短編作品

青空文庫で公開されている素木しづの作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編8作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(4,001〜12,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜8件 / 全8件
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まち子は焼けるやうに、椽からすべるやうに降りて、高い椽の下の柱の所にわづかばかりの日影を求めて、その中にちいさく佇んだ。
また秋になつて、まち子夫婦は去年とおなじやうに子供の寢(ね)てる時の食後などは、しみ/″\と故郷の追憶にふけるのであつた。
小さなモーパッサンの短篇集を袂(たもと)に入れて英語の先生からの帰り、くれてゆく春の石垣のほとりを歩きながら辰子はおかしくってならなかった。
一時心配した時子の病氣も、だん/\快い方に向って来ると、朝子は毎日ぼんやりした顔をして子供のベッドの裾の方に腰をおろしてゐた。
彼女は、遠くの方でしたやうな、細い糸のやうな赤ん坊の泣き声を、ふと耳にしてうつゝのやうに瞳を開けた。
少女は、横になって隅の方に――、殆ど後から見た時にはランプの影になって、闇がどうしてもその本の表を見せまいと思われる所で、一心になって小説をよみふけっていた。
丁度夏に向つてる、すべての新鮮な若葉とおなじやうに、多緒子の産んだ赤ん坊は生き/\と心よく康やかに育つた。
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