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児童書版

鼎軒先生

森鴎外
『鼎軒先生』は青空文庫で公開されている森鴎外の短編作品。2,031文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内   2,031 文字
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書き出し
鼎軒先生には一度もお目に掛かつたことがない、私は少壯の頃、暇があれば本ばかり讀んでゐたので名家の演説などをもわざ/\聽きに往つたことが殆ど無い、そこで餘所ながら先生のお顏を見る機會をも得ないでしまつた、先生がアアリア人種に日本人も屬するといふことを論じた小册子を出された頃であつた、友人上田敏君が宅の二階に來て、話をしてゐられた、私はふいと思ひ出して、かう云つた、「僕は此頃田口卯吉と云ふ人の書いた本を見たが、日本人がアアリア人種だと云ふ論斷がしてある、そしてその理由として...
初出
1911年   (「東京經濟雜誌 第六十三卷第千五百九十一號」1911(明治44)年4月22日)
底本
「鴎外全集 第二十六卷」岩波書店, 1973(昭和48)年12月22日
表記
旧字旧仮名
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