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30分以内で読める正岡容の短編作品

青空文庫で公開されている正岡容の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編12作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(4,001〜12,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜12件 / 全12件
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序章随分久しい馴染だつた神田伯龍がポツクリ死んで、もう三年になる。
冒頭から自分のことを云ひだして恐縮であるが、拙作のなかで先づ/\そこばくの評判を克ち得たものは「寄席」と「円朝」とだらうが、近世話術文化の花であり、最高峰だつた三遊亭円朝は、落語家のなかでの温泉好きで、その著作中、温泉に取材したものには「熱海土産温泉利書」と「敵討霞初島」とが熱海であり、「霧陰伊香保湯煙」と「後開榛名梅ヶ香」「安中草三郎」が伊香保、モーパッサンの「父殺し」を翻案した「名人長二」が湯河原であるが、例の「塩原多助」をかくときにはその出産地たる上州沼田へ実地踏査に...
わが川柳素描省線浅草橋駅歩廊の外側には、このほど穴だらけの焼トタン一めんに貼りめぐらされてゐるが、その南側の方の、なるほどすぐ目の前にはハッキリと両国橋の見られさうな小さな焼穴の上へ、幼稚な白墨の字で、「ココカラ両国見エル」と落書してある。
大正文化の一断片たる浅草オペラの楽屋並びにその俳優たちの生活を最も具さに美しく描破してゐるものは、谷崎潤一郎氏の「鮫人」だらう。
御一新以後エスペラントと堕した江戸弁は東京の落語の面白さを半減せしめたが、上方には独自の陰影を有つ市井語が現代近くまで遺つてゐたから、此を自由に使駆し得た上方落語は、大へんに幸福であつた。
こはこれ、我が五色七いろの未定稿なり、覚え書なり。
猿飴猿飴の猿に湯島の時雨かな綺堂古風な彩色を施し市井芸術としての匂ひいと高い昔ながらの木づくりの猿の看板をかかげて本郷湯島の猿飴は、昭和十八年の末ちかくまで本郷三丁目から湯島天神祠へ至る南側の電車通りに、辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にその舗のたゞずまひは安価低調なバラック同様の和洋折衷館となつてゐて、伝統猿飴の美しき陰影をつたへる何物とても最早なかつた。
昭和廿年花季の戦火に巣鴨花街の僑居を焼かれてから早や二年有余の歳月がながれ去つた。
私は下谷練塀小路河内山宗俊屋敷に誕生した故であらう、かの市井無頼の遊侠徒たる河内山に対して平常並々ならぬ好意と親愛の情をおぼえないわけには行かない。
私は、昨年の明日、東京巣鴨花街の居宅を兵火に焼かれた。
時雨・雪・三味線堀亡くなられた泉鏡花先生のお作の中でも、「註文帳」は当然代表作の一つに数へていいものだらう。
秋色寄席懐古秋になると、あたしの思い出に、旧東京の寄席風景のいくつかが、きっと、儚(はかな)い幻灯の玻瑠絵ほどに滲み出す。
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