書き出し
ま、綺麗やおへんかどうえこのたそがれの明るさや暗さやどうどつしやろ紫の空のいろ空中に女の毛がからまるま、見とみやすなよろしゆおすえな西空がうつすらと薄紅い玻璃みたいにどうどつしやろえええなあほんまに綺麗えな、きらきらしてまぶしい灯がとぼる、アーク燈も電気も提灯もホイツスラーの薄ら明かりにあては立つて居る四条大橋じつと北を見つめながら虹の様に五色に霞んでるえ北山が河原の水の仰山さ、...
初出
1920年
(「槐多の歌へる」アルス、1920(大正9)年)
底本
「ふるさと文学館 第三十巻」ぎょうせい, 1993(平成5)年7月15日