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TOP 今野大力 短編(5分以内)

5分以内で読める今野大力の短編作品(3ページ目)

青空文庫で公開されている今野大力の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編118作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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君はおれの肩を叩いてきいてくれる君は親しげなまざしでおれを見るおお君はいつもおれの同志おれたちの力強い同志しかしおれには今君の呼びかけたらしい言葉がきこえない君はどんなにかあの懐かしい声で留置場からここへ帰って来たおれに久方ぶりで語ってくれたであろうにおれには君の唇の動くのが見えるだけだパクパクとただパクパクと忙しげな静けさ、全く静けさイライラする静けさ扉の外に佇(た)っていたパイの跫音も聞...
なぜか知らそぞろ歩みに誘われて私もお祭りに加わります誰ひとり街はずれのお宮へなぞゆくものですかみんなはこうして涼しい夏の夜の風を浴びながら当どもなく華やかな灯の下をさまよいます。
土に噛りついても故国は遠い負いつ負われつおれもおまえも負傷した兵士おまえが先かおれが先かおれもおまえも知らないおれたちは故国へ帰ろうおれたちは同じ仲間のものだお前を助けるのは俺俺を助けるのはお前だおれたちは故国へ帰ろうこの北満の凍土の上におれとお前の血は流れて凍るおお赤い血真紅のおれたちの血の氷柱おれたちは千里のこなたに凍土を噛む故国はおれたちをバンザイと見...
義男さんよなぜそんなに考えてるの一生懸命だね何を読んでいるの……ああそうか「死線を越えて」かおもしろいかねいえなあに借りて来て読んでいるんですよ此頃は歌はどうです沢山書いているでしょういえなあに駄目ですよさっぱり此頃は書けませんし出来ないしわたしももうよしているしああそう言われた義男さんが終に亡くなられた私と同じ局にいてもいつもおとなしく少...
夕ぐれのあかるさパッと室一杯にあふれて十六燭の電灯のあかるさなど小さくすぼんでいるようなこころよい明るさ忽ちに薄暗くなるこの時刻にこれは又何といい明るさだカーテンをすっかりとり払い硝子窓を通してもかまわないあの明るい空を眺めようあの空あの色何がこんなにうれしいのかもう三年越しの病人がこしらえたような感激を求めているのだろうかそうではない、たしかに、空が広いのだ、...
早く春になったら、どんなに楽しい事だろう、日向の小高い丘に軟く暖く香高い土があらわれて、蕗(ふき)の薹(とう)が上衣を脱ぎ、水晶の様に澄んだ水が、小川を流れ、小魚がピチピチ泳いでいる。
草深い放牧地よ北海の高原に群がれる人々を養える郷土よ北海道よ未開地よここには名もなき小花も咲くであろう未だ人手に触れない谷間の姫百合も咲くであろう春ともなれば黄金の福寿草も咲くであろうかくてアイヌ古典の物語も想い出されるであろう2おお郷土の人々よ昔は卿等が渡道の頃は何処にも熊は住んでいた時として卿等よ憶い起してはならないあの殺伐な熊狩のあたりのことを又若き人々よあまりに華やかさを粧...
何つう病気だか知らねいが、俺家のたけ子奴病気だどって帰って来た何でも片足だけは血が通わねえんだってそしてくさりこんでさうみが出てうみが出て、血の通うところまでぶった切って生れにもない片輪になりやがって二十一の働き盛り嫁盛りに何つうこった俺あ口惜しくて涙も出ねいたけ子の野郎奴はロクすっぽ金も持たずにおんだされて来やがったどうすべかいい考えもありやしねいああ俺は口惜しくてなんねい。
この一本のレールこの一本のリベットこの一本の枕木この掘割、この盛り土このコンクリートその上を平穏に走って行く機関車機関車は一つの鋲から一つのネジ一つの管から、一つの安全弁その機関車に焚く一塊の石炭までも何から何まで、ピンからキリまでおおこれが誰の仕事の成果であるかすべてはタコだらけの手のひらでなで俺たちの仲間の労働がつくった機関車はレールを辷る機関車は今運転されてい...
春の丘を超えて歩んで来た息子の母は慈愛にみち春の大地のようにふくふくとめぐみにみちていた。
〔一〕単の着物を羽織りたいま夏の時季が訪れたけれども私の白い単は恰(あたか)も乞食の着物の様によごれている*やるせない心は、私の生立ちの大切な、又、辛い負いめである私は荷われた運命の様に灯の下へも、川へも、丘へもともなわねばならないこれこそ私の友であるのだ*私はこれまで、商人達、友達、ああ私よりはたしかに裕福な人達にどんなにかいやな思いをさせたろう...
未婚婦人の魅惑に対して私は今日本の未婚婦人へ散文を書送る。
たとえ豊作であろうとなかろうとたとえ凶作であろうとなかろうと彼達の為めに地主達が共謀してこさえているブルジョア政府にはどれだけのどんな対策があるか。
私の妹が死んだ、妹は十四年この世に生きていて死んだ私はそれを施療病院のベットの上できいた涙も出なかった、そして泣くよりも切ない気持で一人の幼き者の死を追慕した死なせたくはなかった、生かしておいてこの世の中の正しい希望によろこばせてやりたかった生れてきたからにはそして肉親の兄である私が三十年の間に学んできたことを折ある毎に語りきかせ苦難の道ではあるが輝やかしいわれわれの未来について...
「おお源造よ帰って来たか」つまごをはき、雪路を踏んで、馬橇の上で別れて行ったあの日、「俺あクジ逃れだ、俺には只一人のお母がいる、お母はおいぼれ……」「でも源造よ、お上はお前や俺等のために、どうにもなんめいぞ、誰ぞと代って下されと、あれ程ねがったんだに仕方のねい世の中だ諦められない世の中よそんだば、元気で行ってこう源造よ、元気でだぞお!」戦争におびやかされ戦争は明日にもあるらしい『戦争が初まったら…...
歴史!「歴史がこうであったからこれはこうであるべきだ」てめい等はまるでブルジョア学者と同じようにそこからどんな論理や哲学を引ずり出そうというのだ歴史がたとえどうあろうと俺達の現実にとって俺達がこれから築いて行こうとしている仕事のために役になんか立ちそうもない役に立つどころか、てめい等も御存知のない位立派に反動を働こうなんておお、そんなぐちッぽい歴史の講義なんて持ち出しては貰うまえ((ママ))...
トンカトンカトントンカトンカトンこれは隣りのシャフトから樋を通って来るベルトが樋板を叩いている音だ。
砂時計はさらさらと流れる民衆の赤き血は流された到る処に銃火と剣戟がひらめいた到る処に窮乏と犯罪が増加した新聞紙はもっと恐しい話を捏造する伯林ではパリーの革命を報道するフランスの都ではリーブ((ママ))クネヒトの死が印刷される……アンリ、ギルボウ「自分を免職し得るものは民衆のみ」と独逸独立社会党員アルヒホルンは拒絶した。
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