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吉川英治の全作品(3ページ目)

青空文庫で公開されている吉川英治の全作品130篇を、おすすめ人気順で表示しています。

101〜130件 / 全130件
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辰蔵の成人ぶりもお目にかけたい。
寧子の胸「こひ!」浅野又右衛門は、家に帰ると、すぐ大きな声で、妻の名をどなった。
鳴門秘帖のころいま帰って来たばかりなんですよ。
眼がしぶい、冬日の障子越しに、鵙(もず)の声はもう午近く思われる。
みんな金を持って、金を捨てにゆく群衆が、どうして皆あんなに愉快そうな顔を揃えてゆくだろうか。
送り狼未明のうちに、本郷森川宿を出たお綱と万吉とが、中仙道をはかどって、もうそろそろ碓氷峠の姿や、浅間の噴煙を仰いでいようと思われる頃、――三日おくれて、同じ中仙道の宿駅に、三人づれの浪人を見ることができる。
飯櫃十八になるお次が、ひとつの嫁入りの資格にと、巣鴨村まで千蔭流の稽古に通い始めてから、もう二年にもなる。
藪椿(やぶつばき)裏藪の中に分け入って佇(たたず)むと、まだ、チチッとしか啼けない鶯(うぐいす)の子が、自分の袂(たもと)の中からでも飛んだように、すぐ側から逃げて行く。
心の地震鬱然とした大樹はあるが、渭山はあまり高くない。
立つ秋湯槽のなかに眼を閉じていても、世間のうごきはおよそわかる――。
お千絵様さて、その後またどうしたろうか、お千絵様は?かの女の今の環境はしずかであった。
明治二十五年(1892)八月十一日。
風入れ異変迅い雲脚である。
大観さん、と生前どおりに呼ばせていただく。
あれはもう何年前か。
雲雀も啼(な)かぬ日河が吼(ほ)えるように河の底から、船頭の大きな声が、「――船止めだとようっ」「六刻かぎりで、川筋も陸も往来止めだぞうっ」船から船へ、呶鳴り交わしてから触れ合っていた。
梅渓餓鬼草紙の中に住む一九先生に会うの機縁山谷堀の船宿、角中の亭主は、狂歌や戯作などやって、ちっとばかり筆が立つ。
ちかごろこんなにみたされた気もちはなかった。
持ちもの嫌いひとにはバカげていても、自分にはゆるせない潔癖がたれにもある。
春の雁(かり)からっとよく晴れた昼間ほど、手持ち不沙汰にひっそりしている色街であった。
チチ、チチ、と沢千禽の声に、春はまだ、峠はまだ、寒かった。
暁からの本能寺の煙が、まだ太陽の面に墨を流しているうちに、凶乱の張本人、光秀の名と、信長の死は、極度な人心の愕きに作用されて、かなり遠方まで、国々の耳をつらぬいて行った。
笛は孤独でたのしめる。
雪の後北がわの屋根には、まだ雪が残っているのであろう、廂(ひさし)の下から室内は、広いので、灯がほしいほど薄暗いが、南の雀口にわずかばかりつよい陽の光が刎(は)ね返っていた。
画でも書でも掛ければそこの壁にはその作者が存在する。
文化の日、十一月三日というと、ぼくら明治生まれのものには、降る雪も――だが菊の香も明治も遠くなりにけり――の感が深い。
たまにシマのズボンをはくこともないではないが、冠婚葬祭、私はたいがいなばあい平服でとおしている。
木も草も枯れ果てて、河内の野は、霜の白さばかりが目に沁(し)みる。
白い旋風を巻いて「戦」が翔(か)けてくる。
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