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児童書版

しゃりこうべ

室生犀星
『しゃりこうべ』は青空文庫で公開されている室生犀星の短編作品。4,262文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内   4,262 文字
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書き出し
電燈の下にいつでも座っているものは誰だろう、――いつだって、どういう時だって、まじまじと瞬きもしないでそれの光を眺めているか、もしくはその光を肩から腰へかけて受けているかして、そうして何時も眼に触れてくるものは、一たい何処の人間だろう、――かれはどういう時でも何か用事ありげな容子で動いているが、しかしその用事がなくなると凝然と座ってそして物を縫うとか、あるいは口をうごかしているとか、または指を折って月日の暦を繰っているかしている、――かれのまわりには白い障子と沈丁花のような電燈とが下って...
初出
1923年   (「中央公論」1923(大正12)年6月号)
底本
「文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子」ちくま文庫、筑摩書房, 2008(平成20)年9月10日
表記
新字新仮名
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