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TOP 金鍾漢 短編(5分以内)

5分以内で読める金鍾漢の短編作品

青空文庫で公開されている金鍾漢の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編7作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜7件 / 全7件
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むらはよるのなかにしづみよるはかへるのなきごゑのなかにしづみひがともるふたつひとつかへるのなきごゑのなかにさてよつぱらひのつきがでてきてしろがねのむらをはきだすのです。
しだれ柳はおいぼれてゐて井戸のそこにはくつきりと碧空のかけらが落ちてゐて閏(うるふ)四月おねえさまことしも郭公が鳴いてゐますねつつましいあなたは答へないで夕顔のやうにほほゑみながらつるべをあふれる碧空をくみあげるつるべをあふれる伝説をくみあげる径は麦畑のなかを折れて庭さきに杏も咲いてゐるあれはぼくらの家まどろみながら牛が雲を反芻してゐるほら水甕にもおねえさま...
下関でうつた電報からひねもす朝鮮漬のにほひがしてならないそして貴公はやつてきたムカヘニコナイトマヒゴニナルゾそして貴公はやつてきた天下大将軍のやうな顔をしてそして貴公はやつてきたぶあつい手をにゆつとつき出したそして私は案内した天神の鳩に豆をやつたふたりの背に陽ざしがあたたかく幼年の日がそこにあつたそして私は案内したとんかつやのふるぼけた暖簾をくぐると...
ひるさがりとある大門のそとでひとりの坊やがグライダアを飛ばしてゐたそれが五月の八日でありこの半島に徴兵のきまつた日であることを知らないらしかつたひたすらエルロンの糸をまいてゐたやがて十ねんが流れるだらうするとかれは戦闘機に乗組むにちがひない空のきざはしを坊やはゆんべの夢のなかで昇つていつた絵本で見たよりも美しかつたのであんまり高く飛びすぎたので青空のなかでお寝小便し...
年おいた山梨の木に年おいた園丁は林檎の嫩枝を接木した研ぎすまされたナイフををいてうそさむい瑠璃色の空に紫煙を流したそんなことが出来るのでせうかやをら園丁の妻は首をかしげたやがて躑躅が売笑したやがて柳が淫蕩した年おいた山梨の木にも申訳のやうに二輪半の林檎が咲いたそんなことも出来るのですね園丁の妻もはじめて笑つたそして柳は失恋したそして躑躅は老いぼれた私...
きみは半島から来たんぢやないですかだうりですこし変つた顔をしてゐると思つたでもそんな心細い思ひをすることはないですよほら松花江の上流からもはろばろ南京の街はづれからも来てゐるではないかスマトラからもボルネオからもいまには重慶の防空壕からもやつてくるでせうではみんな並んで下さいおお砲口のやうだ整列されてゐる口の横隊それは待つてゐる待ちあぐんでゐるタクトの指さす方向へ未来へやが...
雪がちらついてゐるしんみりしづかに雪がちらついてゐるそのなかをききとしてきみたちはいもうとよまたいとこよおとうとよまなびやへと急いでゐるながいながい昌慶苑の石垣づたひ雪がちらついてゐるしんみりしづかに雪がちらついてゐるちらついてゐるおとうとよまたいとこよいもうとよそれはふりかかるきみたちのかたにたわわな髪の毛にひひとしてやぶれ帽子のうへに十ねんわかくなつてわたくしも...
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