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死ぬる迄土地を守るのだ

今村恒夫
『死ぬる迄土地を守るのだ』は青空文庫で公開されている今村恒夫の短編作品。1,902文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   1,902 文字
人気
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書き出し
会場にはぎっしり聴衆がつめていた。
初出
1930年   (「プロレタリア」1930(昭和5)年12月号)
底本
「日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)」新日本出版社, 1987(昭和62)年6月30日
表記
新字新仮名
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今村恒夫
悪検閲制度をぶっ潰せ検閲制度改正期成同盟万歳労働者農民万歳残虐の限りを尽し暴圧の嵐は絶えず吹き続け遂に俺達の言葉迄奪った奴等哀れな奴等の迫害だ哀れな奴等の猿轡だ首を締めつける彼奴等の顔へ憫笑の一瞥を投げて野火の如く囂(ごう)々と拡がり行くではないか俺達の火の手真赤な火の手虫けらの如く無残にも抹殺され空しく屍を曝す幾千の言葉血潮の憤激戦闘の伴侶敵を斃す俺達の鋭利な武器...
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死ぬる迄土地を守るのだ
今村恒夫
会場にはぎっしり聴衆がつめていた。
5分以内
今村恒夫
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