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児童書版

職場の歌 ――遠き地にいったるあいつにおくる――

大江鉄麿
『職場の歌』は青空文庫で公開されている大江鉄麿の短編作品。794文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   794 文字
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書き出し
ダンダンダンダン……歯車がかちかちとわめいているモートルの野郎はブーンとうなっていやがらあベルトが二百五十の回転速力できざむ様に……ダンダンダンダン……源兄いお前そのベルトの奴に右手を半分取られたな近所の義もそのベルトの奴に指を三本喰われちまったぞダンダンダンダン……畜生ベルトの奴貴様まで俺達の血をしぼると云うのか源兄いが右手を取られた時の姿近所の義が指を喰われた時の姿血潮をしたたらせ歯をくいし...
初出
底本
「日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)」新日本出版社, 1987(昭和62)年6月30日
表記
新字新仮名
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大江鉄麿 の人気作品

河の上の職場
大江鉄麿
黒い水面が時々石炭の切れ口のように、ギラギラと河波の照りかえし、中ひざまでせきとめられ、八本のミキサコンクリトがけの鉄骨に、歯をむきだし、カプリと、背筋をひきちぎる音波をうって、揺れてゆく河――脳味噌をぶち砕くような、のたうつ肚の底までピリピリと震動さす響。
5分以内
職場の歌
大江鉄麿
ダンダンダンダン……歯車がかちかちとわめいているモートルの野郎はブーンとうなっていやがらあベルトが二百五十の回転速力できざむ様に……ダンダンダンダン……源兄いお前そのベルトの奴に右手を半分取られたな近所の義もそのベルトの奴に指を三本喰われちまったぞダンダンダンダン……畜生ベルトの奴貴様まで俺達の血をしぼると云うのか源兄いが右手を取られた時の姿近所の義が指を喰われた時の姿血潮をしたたらせ歯をくいし...
5分以内
市立共同宿泊所
大江鉄麿
とさつ場のようにむんむんとしたいきれ、悪臭がふんと鼻したにたれてくる。
5分以内
大江鉄麿
白樺の梢に冬眠は引き裂くような雪肌を蒙古颪(おろし)に冷めたくとぎすましているどんよりな雪雲に包まれた部落彼方へずうと永く続き切っている地面房々と綿の実ったような雪ころ蹴ちらされた足跡がいとなけき者の生活をしのぶ様に……「おっ母よ」寒さに冷えきった体に飯の空っぽにすいた胃袋をたたきのめしながらまるで木乃伊のように滑走ったおっ母の乳下へかけずりよったつるし柿の様にしなびたおっ母の乳房か...
5分以内