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渡久山水鳴の全作品

青空文庫で公開されている渡久山水鳴の全作品8篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜8件 / 全8件
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垣間見ぬ君が室内明日来むと云いし其の日に待てど君姿は見ゑず我心苛苛しさに垣間見ぬ君が室内。
名護がよひ薪積む舟午後六時入江に来る舟の中みだらなる歌三味線のざれ弾き聞ゆおもしろき舟夫のなりはひ。
囚人来る赤き衣の囚人来る暴風雨中を荷へるをふとみむくれば、己を責む戒具と戒具と。
真黒なす蠅の一とむれあざれたる肉あさり夜昼のけちめもわかず己が身しかてをもとめぬ、はづかなる命つがんと。
炭俵載せたる馬車はやや高き坂にかかりぬ、そを馭する人は肝やみくるしげにむちをば振ふ。
午後三時日は傾きぬ松山の女子部のほとり三年ぶり恋人訪ひぬ、「何ぜ君は訪ひ給はざる」かくうらむ彼女は「人妻」。
浪笛兄のふるさとを読み同じ趣向を例の小曲にて試みたるが「都の話」一篇母は問ふ都の話馬車、電車、宮城門の楠公の御像の雄姿又問ひぬ、上野パノラマ、動物園浅草菩薩。
銅色の工夫等は「くわつと」輝く夏の日を背中にうけつ十数人えいや声してほそ長な轆轤(ろくろ)にかけし石砕器高くおとせば、水煙――四方に雨ふり――魚死せり。
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