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児童書版

しかられて

竹内浩三
『しかられて』は青空文庫で公開されている竹内浩三の短編作品。169文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   169 文字
人気
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書き出し
しかられて外へは出たが我家から夕餉の烟と灯火の黄色い光に混ぜられたたのしい飯の音がする強情はってわるかったおなかがすいた風も吹く三日月さんも出て来たよあやまりに行くのもはずかしいさらさら木の葉の音がした。
初出
底本
「竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻」藤原書店, 2001(平成13)年11月30日
表記
新字新仮名
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竹内浩三 の人気作品

骨のうたう(原型)
竹内浩三
戦死やあわれ兵隊の死ぬるやあわれとおい他国でひょんと死ぬるやだまってだれもいないところでひょんと死ぬるやふるさとの風やこいびとの眼やひょんと消ゆるや国のため大君のため死んでしまうやその心や苔いじらしやあわれや兵隊の死ぬるやこらえきれないさびしさやなかず咆えずひたすら銃を持つ白い箱にて故国をながめる音もなくなにもない骨帰ってはきました...
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ぼくもいくさに征くのだけれど
竹内浩三
街はいくさがたりであふれどこへいっても征くはなし勝ったはなし三ヶ月もたてばぼくも征くのだけれどだけどこうしてぼんやりしているぼくがいくさに征ったなら一体ぼくはなにするだろうてがらたてるかなだれもかれもおとこならみんな征くぼくも征くのだけれど征くのだけれどなんにもできず蝶をとったり子供とあそんだりうっかりしていて戦死するかしらそんなまぬけなぼくなのでどうか人なみにいくさが...
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竹内浩三
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大正文化概論
竹内浩三
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