書き出し
[#ページの左右中央]この小詩集を梶井基次郎君の墓前に捧ぐ[#改丁]砂上海海よお前を私の思ひ出と呼ばう私の思ひ出よお前の渚に私は砂の上に臥よう海鹹からい水……水の音よお前は遠くからやつてくる私の思ひ出の縁飾り波よ鹹からい水の起き伏しよさうして渚を噛むがいいさうして渚を走るがいいお前の飛沫で私の睫(まつげ)を濡らすがいい鶯「籠の中にも季節は移る私は歌ふ私...
初出
1933年
(漁家「三田文學 八卷四號」1933(昭和8)年4月<br>平津「三田文學 八卷四號」1933(昭和8)年4月<br>村の犬「三田文學 八卷四號」1933(昭和8)年4月<br>揚げ雲雀「三田文學...)
底本
「三好達治全集第一卷」筑摩書房, 1964(昭和39)年10月15日