書き出し
枕上口占もとおのれがさえのつたなければぞ、集ならんとする夜半……私の詩は一つの着手であればいい私の家は毀れやすい家でいいひと日ひと日に失はれるああこの旅のつれづれの私の詩は三日の間もてばいい昨日と今日と明日とただその片見であればいい又私の詩は明け方西の空にある昨日の月やがて地平の向ふに沈む昨...
初出
1937年
(南の海「新潮 三三卷一號」1937(昭和12)年1月、<br>涙「中央公論」1937(昭和12)年9月、<br>艸千里濱「むらさき 三卷九號」1936(昭和11)年9月、<br>新雪「文藝懇話會...)
底本
「三好達治全集第一卷」筑摩書房, 1964(昭和39)年10月15日