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河井酔茗の全作品

青空文庫で公開されている河井酔茗の全作品7篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜7件 / 全7件
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あなたの懐中にある小さな詩集を見せてくださいかくさないで――。
あらゆる山が歓んでゐるあらゆる山が語つてゐるあらゆる山が足ぶみして舞ふ、躍るあちらむく山とこちらむく山と合つたり離れたり出てくる山とかくれる山と低くなり高くなり家族のやうに親しい山と他人のやうに疎い山と遠くなり近くなりあらゆる山が山の日に歓喜し山の愛にうなづき今や生のかがやきは空いつぱいにひろがつてゐる。
「堺へいなう、堺へいなう」深夜、安土城の庭から奥の寝室に聞えてくる声移し植ゑたばかりの妙国寺の蘇鉄毎夜のやうに言ふ信長は手討にしなかつた「あの蘇鉄を堺へ帰してやれ」話のついでに――「晶子さんあなたは堺へ帰りたいと思ひませんか」「いいえよく出てきたと思ひます」堺は古い街だ古い街から新しい人が生れた晶子さんは、また黙つて堺へ帰つてゐ...
吾老いぬれど仙家に入らず茶烟軽く紅塵の裡(うち)に住む柴門を守るは吾家の月竹窓に吹くは隣家の風人来れば迎へて会ふ人去れば吾座にもどる眠り足りて夢なく起きて倦(う)むことなし昼には昼に書くことあり夜には夜に語ることあり世にあづけたるわが寿は時来らば世に返さむ草の生命はわが...
海辺の旅宿は、潮の香がする。
武甲山は武蔵の一名山である。
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