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児童書版

蘭郁二郎
『穴』は青空文庫で公開されている蘭郁二郎の短編作品。4,232文字で、おおよそ30分以内で読むことができます。
文字数
30分以内   4,232 文字
人気
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書き出し
毎日毎日、気がくさくさするような霖雨が、灰色の空からまるで小糠のように降り罩(こ)めている梅雨時の夜明けでした。
初出
1938年   (「新青年」博文館、1938(昭和13)年9月号)
底本
「怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像」ちくま文庫、筑摩書房, 2003(平成15)年6月10日
表記
新字新仮名
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蘭郁二郎 の人気作品

脳波操縦士
蘭郁二郎
森源の温室奥伊豆――と呼ばれているこのあたりは、東京からいって、地理的にはほんの僅かな距離にあるのに、まるで別天地といってもよいほど、南国のような、澄み切った紺碧の空と、そして暖かい光線に充ち満ちていた。
60分以内
夢鬼
蘭郁二郎
辺鄙な、村はずれの丘には、いつの間にか、華やかな幕を沢山吊るした急拵(ごしら)えの小屋掛が出来て、極東曲馬団の名がかけられ、狂燥なジンタと、ヒョロヒョロと空気を伝わるフリュートの音に、村人は、老も若きも、しばし、強烈な色彩と音楽とスリルを享楽し、又、いつの間にか曲馬団が他へ流れて行っても、しばらくは、フト白い流れ雲の中に、少年や少女の縊(くび)れた肢体を思い出すのである。
1時間〜
歪んだ夢
蘭郁二郎
私は、学生時代からの不眠が祟って、つい苦しまぎれに飲みはじめた催眠薬が、いつか習慣的になってしまったものか、どうしてもそれなしには、一日も過すことが出来なくなってしまったのです。
30分以内
魔像
蘭郁二郎
寺田洵吉は今日も、朝から方々職を探してみたが、何処にもないとわかると、もう毎度のことだったが、やっぱり、又新たな失望を味って、当もなく歩いている中、知らず知らずに浅草公園に出ているのであった。
30分以内