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児童書版

小説文体

泉鏡花
『小説文体』は青空文庫で公開されている泉鏡花の短編作品。267文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
文字数
5分以内   267 文字
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書き出し
僕は雅俗折衷も言文一致も、兩方やツて見るつもりだが、今まで經驗した所では、言文一致で書いたものは、少し離れて見て全躰の景色がぼうツと浮ぶ、文章だと近く眼の傍へすりつけて見て、景色がぢかに眼にうつる、言文一致でごた/\と細かく書いたものは、近くで見ては面白くないが、少し離れて全躰の上から見ると、其の場の景色が浮んで來る、油繪のやうなものであらうか、文章で書くとそれが近くで見てよく、全躰といふよりも、一筆々々に面白みがあるやうに思はれる、是れはどちらがいゝのだか惡いのだか、自分は兩方やツて見...
初出
底本
「鏡花全集 第二十八巻」岩波書店, 1942(昭和17)年11月30日
表記
旧字旧仮名
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