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1時間〜で読める泉鏡花の長編作品

青空文庫で公開されている泉鏡花の作品の中で、おおよその読了目安時間が「1時間〜」の長編43作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(24,001文字〜の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜43件 / 全43件
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「参謀本部編纂の地図をまた繰開いて見るでもなかろう、と思ったけれども、余りの道じゃから、手を触るさえ暑くるしい、旅の法衣の袖をかかげて、表紙を附けた折本になってるのを引張り出した。
場所越前国大野郡鹿見村琴弾谷時現代。
向うの小沢に蛇が立って、八幡長者の、おと娘、よくも立ったり、巧んだり。
鯛、比目魚素顔に口紅で美いから、その色に紛うけれども、可愛い音は、唇が鳴るのではない。
宮重大根のふとしく立てし宮柱は、ふろふきの熱田の神のみそなわす、七里のわたし浪ゆたかにして、来往の渡船難なく桑名につきたる悦びのあまり……と口誦むように独言の、膝栗毛五編の上の読初め、霜月十日あまりの初夜。
朱鷺船濡色を含んだ曙(あけぼの)の霞(かすみ)の中から、姿も振もしつとりとした婦を肩に、片手を引担ぐやうにして、一人の青年がとぼ/\と顕はれた。
越中高岡より倶利伽羅下の建場なる石動まで、四里八町が間を定時発の乗り合い馬車あり。
篠蟹檜木笠銀貨入手に手露地の細路柳に銀の舞扇河童御殿栄螺と蛤おなじく妻横槊賦詩羆の筒袖縁日がえりサの字千鳥梅ヶ枝の手水鉢口紅一重桜伐木丁々空蝉彩ある雲鴛鴦生理学教室美挙怨霊比羅一口か一挺か艸冠河岸の浦島頭を釘露霜彗星綺麗な花振向く処をあわせかがみ振袖[#改ページ]篠蟹「お客に舐(な)めさせるんだとよ。
急病系図一寸手懸宵にちらり妖怪沙汰乱れ髪籠の囮幻影破廂夫婦喧嘩みるめ、かぐはな無理強迫走馬燈血の痕火に入る虫※(もが)呀!同士討虐殺二重の壁赤城様――得三様旭[#改ページ]急病雲の峰は崩れて遠山の麓に靄(もや)薄く、見ゆる限りの野も山も海も夕陽の茜(あかね)に染みて、遠近の森の梢(こずえ)に並ぶ夥多寺院の甍(いらか)は眩(まばゆ)く輝きぬ。
六六館に開かるる婦人慈善会に臨まんとして、在原伯の夫人貞子の方は、麻布市兵衛町の館を二頭立の馬車にて乗出だせり。
麹町九段――中坂は、武蔵鐙、江戸砂子、惣鹿子等によれば、いや、そんな事はどうでもいい。
「ああ、奥さん、」と言った自分の声に、ふと目が覚めると……室内は真暗で黒白が分らぬ。
[#ページの左右中央]紅茶会三両二分通う神紀の国屋段階子手鞠の友湯帰り描ける幻朝参詣言語道断下かた狂犬源兵衛半札の円輔犬張子胸騒鶯白木の箱灰神楽星[#改丁]紅茶会「紅茶の御馳走だ、君、寄宿舎の中だから何にもない、砂糖は各々適宜に入れることにしよう。
先刻は、小さな女中の案内で、雨の晴間を宿の畑へ、家内と葱を抜きに行った。
[#ページの左右中央]みつぎもの裏関所丁か半か室咲日金颪神妙候御曹子黒影白気梅柳[#改ページ]みつぎもの伊豆のヒガネ山は日金と書いて、三島峠、弦巻山、十国峠と峰を重ね、翠(みどり)の雲は深からねど、冬は満山の枯尾花、虚空に立ったる猪(いのしし)見るよう、蓑毛を乱して聳(そび)えたり。
小石川白山のあたりに家がある。
[#ページの左右中央]――心中見た見た、並木の下でしかも皓歯と前髪で――[#改ページ]北国金沢は、元禄に北枝、牧童などがあって、俳諧に縁が浅くない。
[#ページの左右中央]表紙の画の撫子に取添えたる清書草紙、まだ手習児の作なりとて拙きをすてたまわずこのぬしとある処に、御名を記させたまえとこそ。
鞠唄二坪に足らぬ市中の日蔭の庭に、よくもこう生い立ちしな、一本の青楓、塀の内に年経たり。
日本橋のそれにや習える、源氏の著者にや擬えたる、近き頃音羽青柳の横町を、式部小路となむいえりける。
「旦那さん、旦那さん。
片側は空も曇って、今にも一村雨来そうに見える、日中も薄暗い森続きに、畝り畝り遥々(はるばる)と黒い柵を繞(めぐ)らした火薬庫の裏通、寂しい処をとぼとぼと一人通る。
「やあ、やまかがしや蝮(まむし)が居るぞう、あっけえやつだ、気をつけさっせえ。
東京もはやここは多摩の里、郡の部に属する内藤新宿の町端に、近頃新開で土の色赤く、日当のいい冠木門から、目のふちほんのりと酔を帯びて、杖を小脇に、つかつかと出た一名の瀟洒(しょうしゃ)たる人物がある。
あれあれ見たか、あれ見たか。
木曾街道、奈良井の駅は、中央線起点、飯田町より一五八哩(マイル)二、海抜三二〇〇尺、と言い出すより、膝栗毛を思う方が手っ取り早く行旅の情を催させる。
貸したる二階は二間にして六畳と四畳半、別に五畳余りの物置ありて、月一円の極なり。
白鷺明神の祠(ほこら)へ――一緑の森をその峰に仰いで、小県銑吉がいざ詣でようとすると、案内に立ちそうな村の爺さんが少なからず難色を顕わした。
誠に差出がましく恐入りますが、しばらく御清聴を煩わしまする。
「ちらちらちらちら雪の降る中へ、松明がぱっと燃えながら二本――誰も言うことでございますが、他にいたし方もありませんや。
「あんた、居やはりますか。
「お爺(じい)さん、お爺さん。
剃刀研十九日紅梅屋敷作平物語夕空点灯頃雪の門二人使者左の衣兜化粧の名残[#改ページ]剃刀研「おう寒いや、寒いや、こりゃべらぼうだ。
「ここだ、この音なんだよ。
表二階の次の六畳、階子段の上り口、余り高くない天井で、電燈を捻ってフッと消すと……居合わす十二三人が、皆影法師。
つれの夫人がちょっと道寄りをしたので、銑太郎は、取附きに山門の峨々(がが)と聳(そび)えた。
はじめ、私はこの一篇を、山媛、また山姫、いずれかにしようと思った。
「今のは、」初阪ものの赤毛布、という処を、十月の半ば過ぎ、小春凪で、ちと逆上せるほどな暖かさに、下着さえ襲ねて重し、野暮な縞(しま)も隠されず、頬被りがわりの鳥打帽で、朝から見物に出掛けた……この初阪とは、伝え聞く、富士、浅間、大山、筑波、はじめて、出立つを初山と称うるに傚(なら)って、大阪の地へ初見参という意味である。
時雨に真青なのは蒼鬣魚の鰭(ひれ)である。
倶利伽羅峠には、新道と故道とある。
越中の国立山なる、石滝の奥深く、黒百合となんいうものありと、語るもおどろおどろしや。
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