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30分以内で読める紫式部の短編作品

青空文庫で公開されている紫式部の作品の中で、おおよその読了目安時間が「30分以内」の短編15作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(4,001〜12,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜15件 / 全15件
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なほ春のましろき花と見ゆれどもともに死ぬまで悲しかりけり(晶子)紫夫人はあの大病以後病身になって、どこということもなく始終煩っていた。
うつせみのわがうすごろも風流男に馴(な)れてぬるやとあぢきなきころ(晶子)眠れない源氏は、「私はこんなにまで人から冷淡にされたことはこれまでないのだから、今晩はじめて人生は悲しいものだと教えられた。
明けくれに昔こひしきこころもて生くる世もはたゆめのうきはし(晶子)薫は山の延暦寺に着いて、常のとおりに経巻と仏像の供養を営んだ。
若やかにうぐひすぞ啼(な)く初春の衣くばられし一人のやうに(晶子)新春第一日の空の完全にうららかな光のもとには、どんな家の庭にも雪間の草が緑のけはいを示すし、春らしい霞(かすみ)の中では、芽を含んだ木の枝が生気を見せて煙っているし、それに引かれて人の心ものびやかになっていく。
春の夜のもやにそひたる月ならん手枕かしぬ我が仮ぶしに(晶子)二月の二十幾日に紫宸殿の桜の宴があった。
けざやかにめでたき人ぞ在ましたる野分が開くる絵巻のおくに(晶子)中宮のお住居の庭へ植えられた秋草は、今年はことさら種類が多くて、その中へ風流な黒木、赤木のませ垣が所々に結われ、朝露夕露の置き渡すころの優美な野の景色を見ては、春の山も忘れるほどにおもしろかった。
あひがたきいつきのみことおもひてきさらに遥(はる)かになりゆくものを(晶子)前斎宮の入内を女院は熱心に促しておいでになった。
身にしみて物を思へと夏の夜の蛍ほのかに青引きてとぶ(晶子)源氏の現在の地位はきわめて重いがもう廷臣としての繁忙もここまでは押し寄せて来ず、のどかな余裕のある生活ができるのであったから、源氏を信頼して来た恋人たちにもそれぞれ安定を与えることができた。
むらさきのふぢばかまをば見よといふ二人泣きたきここち覚えて(晶子)尚侍になって御所へお勤めするようにと、源氏はもとより実父の内大臣のほうからも勧めてくることで玉鬘は煩悶をしていた。
すずむしは釈迦牟尼仏のおん弟子の君のためにと秋を浄むる(晶子)夏の蓮(はす)の花の盛りに、でき上がった入道の姫宮の御持仏の供養が催されることになった。
天地に春新しく来たりけり光源氏のみむすめのため(晶子)源氏が十一歳の姫君の裳着の式をあげるために設けていたことは並み並みの仕度でなかった。
早蕨の歌を法師す君に似ずよき言葉をば知らぬめでたさ(晶子)「日の光林藪しわかねばいそのかみ古りにし里も花は咲きけり」と言われる春であったから、山荘のほとりのにおいやかになった光を見ても、宇治の中の君は、どうして自分は今まで生きていられたのであろうと、現在を夢のようにばかり思われた。
春の日の光の名残花ぞのに匂ひ薫ると思ほゆるかな(晶子)光君がおかくれになったあとに、そのすぐれた美貌を継ぐと見える人は多くの遺族の中にも求めることが困難であった。
うぐひすも問はば問へかし紅梅の花のあるじはのどやかに待つ(晶子)今按察使大納言といわれている人は、故人になった太政大臣の次男であった。
亡き人の手なれの笛に寄りもこし夢のゆくへの寒き夜半かな(晶子)権大納言の死を惜しむ者が多く、月日がたっても依然として恋しく思う人ばかりであった。
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