書き出し
≪明治三十六年≫○鷸(しぎ)にありては百羽掻也、僕にありては百端書也月や残んの寝覚めの空老れば人の洒落もさびしきものと存候、僕昨今の境遇にては、御加勢と申す程の事もなりかね候へども、この命題の下に見るにまかせ聞くにまかせ、且は思ふにまかせて過現来を問はず、われぞ数かくの歌の如く其時々の筆次第に郵便はがきを以て申上候間願はくは其儘(そのまゝ)を紙面の一隅に御列べ置被下度候、田に棲(す)むもの、野に棲(す)むもの、鷸(しぎ)は四十八品と称し候とかや、僕のも豈夫れ調あ...
初出
1903年
(「平民新聞 第2、4、5、6、8号」平民社、1903(明治36)年11月22日~1904(明治37)年1月3日)
底本
「明治の文学 第15巻 斎藤緑雨」筑摩書房, 2002(平成14)年7月25日