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児童書版

噴水物語

岡本かの子
『噴水物語』は青空文庫で公開されている岡本かの子の短編作品。2,833文字で、おおよそ10分以内で読むことができます。
文字数
10分以内   2,833 文字
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書き出し
「それはヘロドトスの古希臘伝説中の朴野な噴水からアグリッパの拵(こしら)えた羅馬市中百五つの豪壮な噴水、中世の僧院の捏怪な噴水、清寂な文芸復興期の噴水、バロッコ時代の技巧的な噴水――どれもみな目に見えぬものを水によって見ようとする人間の非望を現わしたものではないでしょうか」「これも理想を追求する人間意慾の現れと見るときには、あまりに雛型過ぎて笑止なおもちゃじみた事柄ですが」「だが英国くらい昔から噴水に縁の無い国はありませんわ」と若い夫人は老いたる良人のロジャー氏と私を交る交...
初出
底本
「岡本かの子全集6」ちくま文庫、筑摩書房, 1993(平成5)年9月22日
表記
新字新仮名
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