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島木健作の全作品

青空文庫で公開されている島木健作の全作品13篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜13件 / 全13件
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寝つきりに寝つくやうになる少し前に修善寺へ行つた。
夕やけが丘の上の空を彩りはじめた。
日本の自然のうち、とくに自分の好きな風景などといふものはない。
初夏と共に私の病室をおとづれる元気な訪問客はジガ蜂である。
私は旭川へ來て友人のMに逢ひ、彼の案内で東旭川村を訪ねた。
病気が少しよくなり、寝ながら本を読むことができるようになった時、最初に手にしたものは旅行記であった。
赤い脚絆がずり下り、右足の雪靴の紐が切れかかっているのをなおそうともしないで、源吉はのろのろとあるいて行った。
その日の午後も古賀はきちんと膝を重ねたまゝそこの壁を脊にして坐つてゐた。
若い地區委員會の書記の太田健造は、脚の折れ曲つたテーブルの上に心持ち前かゞみになり、速力をもつて書類に何か書き込んでゐた。
新しく連れて来られたこの町の丘の上の刑務所に、太田は服役後はじめての真夏を迎えたのであった。
「もう何時かしら」と眼ざめた瞬間におちかは思つた。
今年は春から雨の降ることが少なかつた。
つねの年にも増して寒さもきびしく、風も吹き荒れることの多いその年の暮れであつた。
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