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1時間〜で読める島木健作の長編作品

青空文庫で公開されている島木健作の作品の中で、おおよその読了目安時間が「1時間〜」の長編8作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(24,001文字〜の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜8件 / 全8件
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夕やけが丘の上の空を彩りはじめた。
赤い脚絆がずり下り、右足の雪靴の紐が切れかかっているのをなおそうともしないで、源吉はのろのろとあるいて行った。
その日の午後も古賀はきちんと膝を重ねたまゝそこの壁を脊にして坐つてゐた。
若い地區委員會の書記の太田健造は、脚の折れ曲つたテーブルの上に心持ち前かゞみになり、速力をもつて書類に何か書き込んでゐた。
新しく連れて来られたこの町の丘の上の刑務所に、太田は服役後はじめての真夏を迎えたのであった。
「もう何時かしら」と眼ざめた瞬間におちかは思つた。
今年は春から雨の降ることが少なかつた。
つねの年にも増して寒さもきびしく、風も吹き荒れることの多いその年の暮れであつた。
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