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宮沢賢治の全作品(3ページ目)

青空文庫で公開されている宮沢賢治の全作品248篇を、おすすめ人気順で表示しています。

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そのかたち収得に似て面赤く鼻たくましきその云ふや声肝にありその行くや犠を索むる。
こゝろの影を恐るなとまことにさなりさりながらこゝろの影のしばしなるそをこそ世界現実といふ。
鷺はひかりのそらに餓ゑ羊歯にはそゝぐきりさめをあしきテノールうちなして二人の紳士森を来る。
こんにやくのす枯れの茎をとらんとて水こぼこぼと鳴るひぐれまぢかの笹はらを兄弟二人わけ行きにけり。
雲ふかく山裳を曳けばきみ遠く去るにかも似ん丘群に日射し萌ゆればきみ来り訪ふにも似たり。
九時六分のかけ時計その青じろき盤面ににはかに雪の反射来てパンのかけらは床に落ちインクの雫かわきたり。
かくまでに心をいたましむるは薄明穹の黒き血痕新らしき見習士官の肩章をつけなが恋敵笑ひ過ぐるを。
焦ぎ木のむらはなほあれば山の畑の雪消えて〔以下なし〕――――――――青年団が総出にてしだれ桜を截りしなり。
雲を濾しまことあかるくなりし空かな子ら歓呼してことごとく走り出でしも宜なれや風のひのきはみだるるみだるゝ。
つめたき朝の真鍮に胸をくるしと盛りまつりこゝろさびしくをろがめばおん舎利ゆゑにあをじろく燐光をこそはなちたまへり。
われかのひとをこととふになにのけげんもあらざるをなにゆゑかのとき協はざるクラリオネットの玲瓏をわらひ軋らせわらひしや。
聖なる窓そらのひかりはうす青み汚点ある幕はひるがへるOh, my reverence!Sacred St. Window!。
こはドロミット洞窟のけ寒く硬き床なるを幾箇の環を嵌められし巨人の白き隻脚ぞかくて十二の十年は事なきさまに燃え過ぐる。
海鳴りのとゞろく日は船もより来ぬを火の山の燃え熾りて雲のながるゝ海鳴り寄せ来る椿の林にひねもす百合掘り今日もはてぬ。
鳥居の下の県道を砂塵おぼろにあとひきて青竹いろのトラック過ぐる枝垂の栗の下影に鳥獣戯画のかたちして相撲をとれる子らもあり。
草穂のかなた雲ひくきポプラの群にかこまれて鐘塔白き秋の館かしこにひとの四年居てあるとき清くわらひけるそのこといとゞくるほしき。
青びかる天弧のはてにきらゝかに町はうかびて六月のたつきのみちはいまやはた尽きはてにけりいさゝかの書籍とセロを思ふまゝ〔以下空白〕。
霜枯れのトマトの気根その熟れぬ青き実をとり手に裂かばさびしきにほひほのぼのとそらにのぼりて翔け行くは二価アルコホール落ちくるは黒雲のひら。
……たゞかたくなのみをわぶるなにをかひとにうらむべき……ましろきそらにはゞたきてましろきそらにたゆたひて百舌はいこひをおもふらし。
りんごのみきのはひのひかり腐植のしめりのつちに立てり根ぎはの朽ちの褐なればどう枯病をうたがへり天のつかれの一方にその果朱金をくすぼらす。
郡属伊原忠右エ門科頭にゴムの靴はきて冬の芝生をうちよぎり南ちゞれし綿雲に雨量計をぞさゝげたる天狗巣病にはあらねどもあまりにしげきこずゑかな。
棕梠の葉やゝに痙攣し陽光横目に過ぐるころ湯屋には声のほのかにて溝水ほとと落ちたるに放蕩無頼の息子の大工このとき古きスコットランドの貴族風して戻り来れり。
一、ましろき蘆の花噴けば青き死相を眼にたゝへ大太刀舞はす乱れ髪二、白紙を結ぶすはだしや死を嘲ける青の隈雪の反射のなかにして鉄の鏡をかゝげたり。
「いざ渡せかしおいぼれめいつもこゝにて日を暮らす」すぱとたばこを吸ひやめて何を云ふともこの飯の煮たたぬうちに立つべしや芋の子頭白髪しておきなは榾を加へたり。
※々としてひかれるは硫黄ヶ岳の尾根の雪雲灰白に亙せるは鳥ヶ森また駒頭山焼き枕木を負ひ行きて水路に橋をなさんとや雪の荒野のたゞなかを小刻みに行く人のあり。
塵のごと小鳥なきすぎほこ杉の峡の奥よりあやしくも鳴るやみ神楽いみじくも鳴るやみ神楽たゞ深し天の青原雲が燃す白金環と白金の黒の窟を日天子奔せ出でたまふ。
恋のはじめのおとなひはかの青春に来りけりおなじき第二神来は蒼き上着にありにけりその第三は諸人の栄誉のなかに来りけりいまおゝその四愛憐は何たるぼろの中に来しぞも。
髪白き山田博士が書いだき帰り往くころかはたれはしづに這ひ来てふくよかに木の芽ほごるゝ鳥飛びて気圧を高み守衛長〔以下未完〕ぎごちなき独乙冠詞を青々となげく窓あり。
館は台地のはななれば鳥は岬の火とも見つ香魚釣る人は藪と瀬を低くすかしてわきまへぬ鳥をまがへる赤き蛾は鱗粉きらとうちながし緑の蝦を僭しつゝ浮塵子あかりをめぐりけり。
あくたうかべる朝の水ひらととびかふつばくらめ苗のはこびの遅ければ熊ははぎしり雲を見る苗つけ馬を引ききたり露のすぎなの畔に立ち権は朱塗の盃をましろきそらにあふぐなり。
なべて葡萄に花さきて蜂のふるひのせはしきにをちこち青き銅液の噴霧にひるは来りけりにはかに風のうち死してあたりいよよにまばゆきを見ずやかしこの青きそら友よいざ射て雹の雲。
きみがおもかげうかべんと夜を仰げばこのまひる蝋紙に描きし北上の水線青くひかるなれ竜や棲みしと伝へたるこのこもりぬの辺を来れば夜ぞらに泛ぶ水線の火花となりて青々と散る。
白きそらいと近くしてみねの方鐘さらに鳴り青葉もて埋もる堂のひそけくも暮れにまぢかし僧ひとり縁にうちゐてふくれたるうなじめぐらし義経の彩ある像をゆびさしてそらごとを云ふ。
竜王の名をしるしたる紺の旗黄と朱の旗さうさうと焔はたちて葉桜の梢まばゆし布をもてひげをしばりし行者なほ呪をなしやめずにくさげに立ちて見まもる軍帽をかぶれる教師。
雪とひのきの坂上に粗き板もてゴシックを辛く畳みて写真師の聖のねぐらを営みぬぼたと名づくる雪ふりていましめさけぶ橇のこらよきデュイエットうちふるひひかりて暮るゝガラス屋根。
エレキに魚をとるのみか鳥さへ犯すしれをのこ捕らでやまんと駐在の戸田巡査こそいかめしきまこと楊に磁の乗りて小鳥は鉄のたぐひかやひとむれさつと落ち入りてしらむ梢ぞあやしけれ。
星のけむりの下にして石組黒くひそめるをさもあしざまに鳴き棄てつくわくこう一羽北に過ぎたり夜のもみぢの木もそびえ御堂の屋根も沈めるをさらに一羽の鳥ありて寒天質の闇に溶けたり。
このみちの醸すがごとく粟葉などひかりいでしはひがしなる山彙の上に黄なる月いざよへるなり夏の草山とになひてやうやくに人ら帰るをなにをかもわがかなしまんすゝきの葉露をおとせり。
まくろなる流れの岸に根株燃すゆふべのけむりこらつどひかたみに舞ひてたんぽゝの白き毛をふく丘の上のスリッパ小屋に媼ゐてむすめらに云ふかくてしも畑みな成りてあらたなる艱苦ひらくと。
(二川こゝにて会したり)(いな、和賀の川水雪代ふ夏油のそれの十なればその川ここに入ると云へ)藍と雪とのうすけぶりつらなる尾根のかなたより夏油の川は巌截りてましろき波をながしきぬ。
まひるつとめにまぎらひてきみがおもかげ来ぬひまはこころやすらひはたらきしそのことなにかねたましき新月きみがおももちをつきの梢にかゝぐれば凍れる泥をうちふみてさびしく恋ふるこゝろかな。
もろの崖よりたゆみなく朽ち石まろぶ黒夜谷鳴きどよもせば慈悲心鳥のわれにはつらき睡りかな榾組み直しものおもひものうちおもひ榾組みてはやくも東谷のはて雲にも朱の色立ちぬ。
落ちしのばらの芽はひかり樹液はしづにかはたれぬあゝこの夕つゝましくきみと祈らばよからんをきみきたらずばわが成さんこの園つひにむなしけん西天黄ばみにごれるに雲の黒闇の見もあへず。
モザイク成り、佳人は窓より見るを何ぞ七面鳥の二所をけちらし窪めしや、何の花を移してこゝを埋めん然りたゞ七面鳥なんぢそこに座して動かざれ然り七面鳥動くも又可なりなんぢ事務長のひいきする花。
罪はいま疾にかはりたよりなくわれは騰りて野のそらにひとりまどろむ太虚ひかりてはてしなく身は水素より軽ければまた耕さんすべもなしせめてはかしこ黒と白立ち並びたる積雲を雨と崩して堕ちなんを。
島わにあらき潮騒をうつつの森のなかに聴き羊歯の葉しげき下蔭に青き椿の実をとりぬ南の風のくるほしく波のいぶきを吹き来れば百千鳥すだきわぶる三原の山に燃ゆる火のなかばは雲に鎖されぬ。
水はよどみて日はけぶり桜は青き夢の列汝(な)は酔ひ痴れてうちをどる泥洲の上にうちをどる母をはるけきなが弟子は酔はずさびしくそらを見るその蘆生えの蘆に立ちましろきそらをひとり見る。
なべてはしけくよそほひて暁惑ふ改札をならび出づるとふりかへる人なきホーム陸の橋歳に一夜の旅了へしをとめうなゐのひとむれに黒きけむりをそら高く職場は待てり春の雨。
さ霧する白き木柵幹彫れる桐のいくもと剥げそめし白きペンキの木柵に人人は倚りそのペンキあるいは剥げあるものは庭をのぞめり一鐘のラッパが鳴りて急ぎ行く港先生白堊城秋のガラスはひらごとにうつろなりけり。
ゆがみつゝ月は出でうすぐもは淡くにほへり汽車のおとはかなく恋ごゝろ風のふくらしペンのさやうしなはれ山の稜白くひかれり汽車の音はるけくなみだゆゑ松いとくろしかれ草はさやぎてわが手帳たゞほのかなり。
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