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5分以内で読める宮沢賢治の短編作品(3ページ目)

青空文庫で公開されている宮沢賢治の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編132作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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われ聴衆に会釈して歌ひ出でんとしたるとき突如下手の幕かげにまづおぼろなる銅鑼鳴りてやがてジロフォンみだれうつわが立ち惑ふそのひまに琴はいよよに烈しくてそはかの支那の小娘とわれとが潔き愛恋をあらぬかたちに歪めなし描きあざけり罵りて衆意を迎ふるさまなりきそを一すぢのたはむれとなすべき才もあらざればたゞ胸あつく頬つりて呆けたるごとくわが立てばもろびとどつと声あげ...
森の上のこの神楽殿いそがしくのぼりて立てばくわくこうはめぐりてどよみ松の風頬を吹くなり野をはるに北をのぞめば紫波の城の二本の杉かゞやきて黄ばめるものはそが上に麦熟すらしさらにまた夏雲の下青々と山なみははせ従ひて野は澱めどもかのまちはつひに見えざりうらゝかに野を過ぎり行くかの雲の影ともなりてきみがべにありなんものをさもわれののがれてあればうすくらき古...
さやかなる夏の衣してひとびとは汽車を待てども疾みはてしわれはさびしく琥珀もて客を待つめりこの駅はきりぎしにして玻璃の窓海景を盛り幾条の遙けき青や岬にはあがる白波南なるかの野の町に歌ひめとなるならはしのかゞやける唇や頬われとても昨日はありにきかのひとになべてを捧げかゞやかに四年を経しにわが胸はにはかに重く病葉と髪は散りにきモートルの爆音高く窓...
最も親しき友らにさへこれを秘してふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに不純の想を包みて病を問ふと名をかりてあるべきならぬなが夢の(まことにあらぬ夢なれやわれに属する財はなくわが身は病と戦ひつ辛く業をばなしけるを)あらゆる詐術の成らざりしより我を呪ひて殺さんとするか然らば記せよ女と思ひて今日までは許しても来つれ今や生くるも死するもなんぢが曲意非礼を忘れじもしなほなれ...
鉛のいろの冬海の荒き渚のあけがたを家長は白きもんぱしてこらをはげまし急ぎくるひとりのうなゐ黄の巾をうちかづけるが足いたみやゝにおくるゝそのさまををとめは立ちて迎へゐる南はるかに亙りつゝ氷霧にけぶる丘丘はこぞはひでりのうちつゞきたえて稔りのなかりしを日はなほ東海ばらや黒棚雲の下にして褐砂に凍てし船の列いまだに夜をゆめむらし...
アリイルスチュアール一九二七(房中寒くむなしくて灯は消え月は出でざるに大なる恐怖の声なしていま起ちたるはそも何ぞ!……わが知るものの霊よ何とてなれは来りしや?)(君は云へりきわが待たば君も必ず来らんと……)(愛しきされど愚かしき遙けくなれの死しけるを亡きと生けるはもろ共に行き交ふことの許されねいざはやなれはくらやみにわれは愛にぞ行くべかり)...
(四月の夜、とし老った猫が)友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。
雪のたんぼのあぜみちをぞろぞろあるく烏なり雪のたんぼに身を折りて二声鳴けるからすなり雪のたんぼに首を垂れ雪をついばむ烏なり雪のたんぼに首をあげあたり見まはす烏なり雪のたんぼの雪の上よちよちあるくからすなり雪のたんぼを行きつくし雪をついばむからすなりたんぼの雪の高みにて口をひらきしからすなりたんぼの雪にくちばしをじつとうづめしからすなり...
火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはこの家の主人の膝が大黒柱を切って投げ出しどっしりがたりと座ってゐる。
ひとひははかなくことばをくだしゆふべはいづちの組合にても一車を送らんすべなどおもふさこそはこゝろのうらぶれぬるとたそがれさびしく車窓によれば外の面は磐井の沖積層を草火のけむりぞ青みてながる屈撓余りに大なるときは挫折の域にも至りぬべきをいままた怪しくせなうち熱り胸さへ痛むはかつての病ふたゝび来しやとひそかに経れば芽ばえぬ柳と残りの雪のなかばはいとしくなかばはかなしあるいは二列の...
ひとびと酸き胡瓜を噛みやゝに濁れる黄の酒の陶の小盃に往復せりそは今日賦役に出でざりし家々より権左エ門が集め来しなれまこと権左エ門の眼双に赤きは尚褐玻璃の老眼鏡をかけたるごとく立つて宰領するこの家のあるじ熊氏の面はひげに充てり榾のけむりは稲いちめんにひろがり雨は※[#「さんずい+堂」、U+6F1F、197-12]々青き穂並にうち注げりわれはさながらわれにもあらず稲の品種をもの云へば或いはペ...
濁みし声下より叫ぶ炉はいまし何度にありや八百といらへをすれば声なくて炭を掻く音声ありて更に叫べりづくはいまし何度にありや八百といらへをすればまたもちえと舌打つひゞき灼熱のるつぼをつゝみむらさきの暗き火は燃えそがなかに水うち汲める母の像恍とうかべり声ありて下より叫ぶ針はいま何度にありや八百といらへて云へばたちまちに階を来る音八百は何のたはごと...
序論……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……農民芸術の興隆……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……農民芸術の本質……何がわれらの芸術の心臓をなすものであるか……農民芸術の分野……どんな工合にそれが分類され得るか……農民芸術の諸主義……それらのなかにどんな主張が可能であるか……農民芸術の製作……いかに着手しいかに進んで行ったらいいか……...
兜の尾根のうしろより月天ちらとのぞきたまへり月天子ほのかにのぞみたまへども野の雪いまだ暮れやらずしばし山はにたゆたひおはす決然として月天子山をいでたち給ひつゝその横雲の黒雲のさだめの席に入りませりけり月天子まことはいまだ出でまさずそはみひかりの異りて赤きといとど歪みませると月天子み丈のなかば黒雲にうづもれまして笑み給ひけりなめげにも人々高くもの云ひつゝ...
いたやと楢の林つきてかの鉛にも続くといへる広きみねみち見え初めたればわれ師にさきだちて走りのぼり峯にきたりて悦び叫べり江釣子森は黒くして脚下にあり北上の野をへだてて山はけむりそが上に雲の峯かゞやき立てり人人にまもられて師もやがて来りたまふにみけしき蒼白にして単衣のせなうるほひ給ひきわれなほよろこびやまず石をもて東の谷になげうちしにその石遙か下方にして戞として樹をうちまた茂...
そらの微光にそゝがれていま明け渡る甲板は綱具やしろきライフブイあやしく黄ばむ排気筒はだれに暗く緑する宗谷岬のたゝずみと北はま蒼にうち睡るサガレン島の東尾や黒き葡萄の色なして雲いとひくく垂れたるに鉛の水のはてははや朱金一すぢかゞやきぬ髪を正しくくしけづりセルの袴のひだ垂れて古き国士のおもかげに日の出を待てる紳士あり船はまくろき砒素鏡をその来し...
馬行き人行き自転車行きてしばし粉雪の風吹けり絣合羽につまごはき物噛むごとくたゝずみて大売り出しのビラ読む翁まなこをめぐる輻状の皺楽隊の音からおもてを見れば雲は傷れて眼痛む西洋料理支那料理の三色文字は赤より暮るゝ馬が一疋東へ行く古びた荷繩をぶらさげて雪みちをふむ引いて行くのはまだ頬の円いこども兵隊外套が長過ぎるので繩でしばつてたごめてゐる政友会の親分...
ドツテテドツテテ、ドツテテド、でんしんばしらのぐんたいははやさせかいにたぐひなしドツテテドツテテ、ドツテテドでんしんばしらのぐんたいはきりつせかいにならびなし。
せなうち痛み息熱く待合室をわが得るや白き羽せし淫れめのおごりてまなこうちつむりかなためぐれるベンチにはかつて獅子とも虎とも呼ばれいま歯を謝せし村長の頬明き孫の学生を侍童のさまに従へて手袋の手をかさねつゝいとつゝましく汽車待てる外の面俥の往来して雪もさびしくよごれたる二月の末のくれちかみ十貫二十五銭にていかんぞ工場立たんなどそのかみのシャツそのかみの外套を着...
白人白人いづくへ行くやこゝを溯らば毒の滝がまは汝を膨らまし鰐は汝の手を食はんちがひなしちがひなしがまは汝の舌を抜き鰐は汝の手を食はん白人白人いづくへ行くやこゝより奥は暗の森藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさんちがひなしちがひなし藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさん白人白人いづくへ行くやこゝを昇らば熱の丘...
青ざめた薄明穹の水底に少しばかりの星がまたたき出し、胡桃や桑の木は薄くらがりにそっと手をあげごく曖昧に祈ってゐる。
普通中学校などに備え付けてある顕微鏡は、拡大度が六百倍乃至八百倍ぐらいまでですから、蝶(ちょう)の翅(はね)の鱗片や馬鈴薯の澱粉粒などは実にはっきり見えますが、割合に小さな細菌などはよくわかりません。
地球照ある七日の月が、海峡の西にかかって、岬の黒い山々が雲をかぶってたゞずめば、そのうら寒い螺鈿の雲も、またおぞましく呼吸するそこに喜歌劇オルフィウス風の、赤い酒精を照明し、妖蠱奇怪な虹の汁をそゝいで、春と夏とを交雑し水と陸との市場をつくる……………………きたわいなつじうらはっけがきたわいなオダルハコダテガスタルダイト、ハコダテネムロインデコライトマオ...
〔冒頭欠〕たいエゴイストだ。
石ヶ森の方は硬くて瘠せて灰色の骨を露はし大森は黒く松をこめぜいたくさうに肥ってゐるが実はどっちも石英安山岩だ。
ながれたり夜はあやしく陥りてゆらぎ出でしは一むらの陰極線の盲あかりまた螢光の青らむとかなしく白き偏光の類ましろに寒き川のさま地平わづかに赤らむはあかつきとこそ覚ゆなれ(そもこれはいづちの川のけしきぞも)げにながれたり水のいろながれたりげに水のいろこのあかつきの水のさまはてさへしらにながれたり(そもこれはいづちの川のけしきぞも)明るくかろ...
こつこつと扉を叩いたのでさっきから大礼服を着て二階の式場で学生たちの入ったり整列したりする音を聞きながらストウヴの近くできうくつに待ってゐた校長は低くよしと答へた。
本郷区菊坂町※九時過ぎたので、床屋の弟子の微かな疲れと睡気とがふっと青白く鏡にかゝり、室は何だかがらんとしてゐる。
苔(こけ)いちめんに、霧がぽしやぽしや降つて、蟻(あり)の歩哨は、鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行つたり来たりしてゐます。
おれは設計図なぞ持って行かなかった。
イーハトヴは一つの地名である。
……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……曾ってわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐたそこには芸術も宗教もあったB※chner明治維新以前家屋衣服食物労働宗教音楽舞踊芝居遊楽創造経済の変動に伴ふ所有衝動の発達科学による急激な技術の進歩による機械的の設計田植踊節句祈願植物医師の例労働は古に遡るに従って漸く非労働となる如何にして労働が発展し来れるや解し難きものあり蓋し原始人の労...
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