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児童書版

金色夜叉

尾崎紅葉
『金色夜叉』は青空文庫で公開されている尾崎紅葉の長編作品。287,767文字で、おおよそ1時間〜で読むことができます。
文字数
1時間〜   287,767 文字
人気
  168,388 PV
書き出し
前編第一章未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙かりし、或(あるひ)は飲過ぎし年賀の帰来なるべく、疎に寄する獅子太鼓の遠響は、はや今日に尽きぬる三箇日を惜むが如く、その哀切に小き膓(はらわた)は断れぬべし。
初出
1897年   (「読売新聞」1897(明治30)年1月1日~1902(明治35)年5月11日)
底本
「金色夜叉」新潮文庫、新潮社, 1969(昭和44)年11月10日
表記
新字旧仮名
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尾崎紅葉 の人気作品

金色夜叉
尾崎紅葉
前編第一章未だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠めて、真直に長く東より西に横はれる大道は掃きたるやうに物の影を留めず、いと寂くも往来の絶えたるに、例ならず繁き車輪の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙かりし、或(あるひ)は飲過ぎし年賀の帰来なるべく、疎に寄する獅子太鼓の遠響は、はや今日に尽きぬる三箇日を惜むが如く、その哀切に小き膓(はらわた)は断れぬべし。
1時間〜
鬼桃太郎
尾崎紅葉
むかしむかし翁は山へ柴刈に、媼(ばば)は洗濯の河にて、拾いし桃実の裏より生れ出でたる桃太郎、猿雉子犬を引率[#ルビの「いんぞつ」はママ]してこの鬼ヶ島に攻来り、累世の珍宝を分捕なし、勝矜らせて還せし事、この島末代までの恥辱なり、あわれ願わくは武勇勝れたる鬼のあれかし、其(その)力を藉(かり)てなりともこの遺恨霽(はら)さばやと、時の王鬼島中に触を下し、誰にても...
30分以内
鬼桃太郎
尾崎紅葉
むかし/\翁は山へ柴刈に、媼(ばゞ)は洗濯の河にて、拾ひし桃實の裏より生れ出でたる桃太郎、猿雉子犬を引率してこの鬼个島に攻來り、累世の珍寳を分捕なし、勝矜らせて還せし事、この島末代までの耻辱なり、あはれ願はくは武勇勝れたる鬼のあれかし其力を藉(かり)てなりともこの遺恨霽(はら)さばやと、時の王鬼島中に觸(ふれ)を下し、誰にてもあれ日本を征伐し、桃太郎奴が若衆首...
30分以内
硯友社の沿革
尾崎紅葉
夙(かね)て硯友社の年代記を作つて見やうと云(い)ふ考を有つて居るのでありますが、書いた物は散佚して了ふし、或(あるひ)は記憶から消え去つて了つた事実などが多い為に、迚(とて)も自分一人で筆を執るのでは、十分な事を書く訳には行かんのでありますから、其(そ)の当時往来して居つた人達に問合せて、各方面から事実を挙げなければ、沿革と云(い)ふべき者を書く事は出来ません、其(これ)に就て不便な事は、其昔朝夕に往来して文章を見せ合つた仲間の大半は、始から文章を以て身を立る志の人でなかつたから...
30分以内