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水野葉舟の全作品

青空文庫で公開されている水野葉舟の全作品13篇を、おすすめ人気順で表示しています。

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私が――これは私たちがと言つた方がいいのだ。
これも同じく遠野で聞いた談だ。
馬車が深い渓流に沿った懸崖の上を走っていた。
今、花巻に着いた九時、今、花巻に着いた。
○高橋五郎氏に聴いた話である。
怪談の中でも、人間が死ぬ断末魔の刹那に遠く離れて居る、親しい者へ、知らせるというのは、決して怪談というべき類では無かろうと思う、これは立派な精神的作用で、矢張一種のテレパシーなのだ。
S君の家に着いた時には、もう夜がすっかり更けていた。
佐々木君が馬車に乗ってしまうのを見送って、二階にあがって来た。
その日は十二三里の道を、一日乗り合い馬車に揺られながらとおした。
九月の中ごろ、ひどく雨が降った或る晩のこと。
三月二十七日――陸中のこの山間の村一帯に雪にまじって雨が降った。
「いま、これから東の方に向って、この花巻を発つ。
死語となつた「言文一致」「言文一致」といふ言葉は、今では既に推移し去つた過去のものになつてしまつてゐる。
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