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TOP 北条民雄 短編(5分以内)

5分以内で読める北条民雄の短編作品

青空文庫で公開されている北条民雄の作品の中で、おおよその読了目安時間が「5分以内」の短編19作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(〜2,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜19件 / 全19件
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諸君は井戸の中の蛙だと、癩者に向つて断定した男が近頃現れた。
部屋の中ではかなくうら悲しい日が続く。
それを見たとたん、秋津栄三はがつくりと膝を折つてそのまま地べたへつき坐つてしまひさうになつた。
急に高まつて来た室内のざわめきに、さつきから、睡るでもなく睡らぬでもない状態でうつらうつらとしてゐた鶏三は、眼を開いた。
十日ほども降り続いた梅雨があけると、おそろしくむし暑い日が続いて、街は、腐敗したどぶ川の悪臭が染み込んでぶくぶくと泡立つてゐるやうに感ぜられた。
私は彼の告白記を紹介する前に、一応私と彼との関係や、間柄を記して置きたいと思ふ。
思へばここ数年来、年あらたまる毎に私の生活は苦痛を増すばかりであつた。
右腕の神経痛が始まつたので、私はここ数日床の中で朝夕を送り迎へてゐる。
高等科二年の多吉は、ある夕方、校門を出るとただ一人きりで家路に向つた。
ここ十日ばかりといふもの、何もせずにぼんやりと机の前に坐つて暮してゐる。
胸までつかる深い湯の中で腕を組んで、私は長い間陶然としてゐた。
都美は、このごろ、夕暮になると、その少年に逢ひに行くのが、癖になつて、少年に逢はない日は、ホツケスに逢ふのも、嫌になつてしまつた。
夕方になると、私はなんとなくじつとしてゐられないので、定つて散歩に出る。
この部屋には東と北とに窓がある。
――美しいものは一番危つかしい。
親父は大酒飲みで、ろくすつぽ仕事もせず毎日酔つぱらつては大道に寝転び、村長でも誰でも口から出まかせに悪口雑言を吐き散らすのが無上の趣味で、母親は毎日めそめそ泣いて、困るんでござります困るんでござりますと愚痴つてばかりゐる意気地なしなのである。
自殺を覚悟するとみな一種の狂人か、放心状態に陥る。
癩文学といふものがあるかないか私は知らぬが、しかしよしんば癩文学といふものがあるものとしても、私はそのやうなものは書きたいとは思はない。
今日は二月の二十七日だ。
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