10分以内で読める小川未明の短編児童文学作品（4ページ目）

冬の晴れた日のことであります。

「誠さんおいでよ、ねこの子がいるから。

冬でありましたけれど、その日は、風もなく穏やかで、日の光が暖かに、門口に当たっていましたので、おみよは学校から帰りますと、ござを敷いて、その上で、人形や、おもちゃなどを出してきて遊んでいました。

ある日のこと、女中はアルミニウムの湯沸かしを、お嬢さんたちが集まって、話をしていなされたお座敷へ持ってゆくと、「まあ、なんだね、お竹や、こんな汚らしい湯沸かしなどを持ってきてさ。

広い庭には、かきが赤くみのっていました。

良ちゃんは、お姉さんの持っている、銀のシャープ＝ペンシルがほしくてならなかったのです。

池の中に水草がありましたが、長い冬の間水が凍っていましたために、草はほとんど枯れてしまいそうに弱っていました。

この村でのわんぱく者といえば、だれ知らぬものがなかったほど、龍雄はわんぱく者でした。

もくら、もくらと、白い雲が、大空に頭をならべる季節となりました。

寒い、北の方の小さな町に、独り者の男が住んでいました。

達ちゃんの組に、田舎から転校してきた、秀ちゃんという少年がありました。

くりの木のこずえに残った一ひらの葉が、北の海を見ながら、さびしい歌をうたっていました。

良吉は貧しい家に生まれました。

たくさんな金魚の子が、おけの中で、あふ、あふとして泳いでいました。

小さな姉弟は、父の目が、だんだん見えなくなるのを心配しました。

あるところに、性質のちがった兄と弟がありました。

野の中に、一本の大きなかしの木がありました。

町というものは、ふしぎなものです。

風の吹くたびに、ひからびた落ち葉が、さらさらと音をたて、あたりをとびまわりました。

汽笛が鳴って、工場の門をでるころには、日は西の山へ入るのでありました。

おじさんの髪は、いつもきれいでした。

この世界が造られましたときに、三人の美しい天使がありました。

三人の娘らは、いずれもあまり富んでいる家の子供でなかったのです。

わたくしが門を出ると、ちょうど、ピイピイ、笛をならしながら、らお屋が、あちらのかどをまがりました。

風と木広い野原は、雪におおわれていました。

正ちゃんは、三つになったときに、はじめて自分には、お母さんのないことを知りました。

梅雨のうちに、花という花はたいていちってしまって、雨が上がると、いよいよ輝かしい夏がくるのであります。

ある日、兄弟は、村のはずれを流れている川にいって、たくさんほたるを捕らえてきました。

正二くんの打ちふる細い竹の棒は、青い初秋の空の下で、しなしなと光って見えました。

ある輝かしい日のことです。

町の四つ角に立って、一人の男の子がうろうろしていました。

冬の日は、昼過ぎになると、急に光がうすくなるのでした。

ゆり子ちゃんは、外へ出たけれど、だれも遊んでいませんでした。

北方の海は銀色に凍っていました。

いつものようにぼくは坂下の露店で番をしていました。

目の落ちくぼんだ、鼻の高い、小西一等兵と、四角の顔をした、ひげの伸びている岡田上等兵は、草に身を埋ずめ腹ばいになって話をしていました。

二郎は、ある日、外に立っていますと、びっこの馬が、重い荷を背中につけて、引かれていくのでありました。

河水は、行方も知らずに流れてゆきました。

山間の寂しい村には、秋が早くきました。

音楽というものは、いったい悲しい感じを人々の心に与えるものです。