青空文庫の児童文学全作品（27ページ目）

町の運輸会社には、たくさんの人たちが働いていました。

有一君は四年生で、真奈ちやんは二年生です。

泉は、自分のかいこが、ぐんぐん大きくなるのを自慢していました。

お幸の家は石津村で一番の旧家でそして昔は大地主であつた為めに、明治の維新後に百姓が名字を拵（こしら）へる時にも、沢山の田と云（い）ふ意味で太田と附けたと云はれて居ました。

嘉（か）ッコは、小さなわらじをはいて、赤いげんこを二つ顔の前にそろえて、ふっふっと息をふきかけながら、土間から外へ飛び出しました。

昔、北の寒い国に、珍しい宝石が、海からも、また山からもいろいろたくさんに取れました。

「おい／＼、みんな、よう聞け。

あめ売りの吹く、チャルメラの声を聞くと、子供の時分のことを思い、按摩の笛の音を聞くと、その人は涙ぐみました。

旅から旅へ渡って歩く、父と子の乞食がありました。

あるお百姓さんが、牝牛を市場へ追っていって、七ターレルで売ってきました。

前がきアナトール・フランスは本名をアナトール・チボーといい、フランスでも第一流の文学者であります。

空高く羽虫を追いかけていたやんまが、すういと降りたとたんに、大きなくもの巣にかかってしまいました。

「孝二、おまえでないか。

むかし源頼光という大将がありました。

鉛色をした、冬の朝でした。

新しいランドセルを脊負ひ、新しい草履袋をさげて、一年生の進ちやんは、元気よく学校から帰つて来ました。

北の海の方にすんでいたかもめは、ふとして思いたって南の方へと飛んできました。

北の国の王さまは、なにか目をたのしませ、心を喜ばせるような、おもしろいことはないものかと思っていられました。

今日は、ひとつ、私の子供の時分――小学校時代のことを話しませう。

物化学の起り自然には非常にたくさんの種類の物質があって、それぞれ性質を異にしているのは、誰でも知っている事がらでありますが、それらの物質はいろいろなはたらきによって互に変ってゆくので、それで我々人間は都合のよいものをつくって、さまざまの目的に利用することができるのです。

緒言自然をふかく研究して、そのなかから新しい法則を見つけ出すということは、人間にとっての最も大きなよろこびであり、之（これ）によって自然の限りなく巧妙なはたらきを味わい知るということは、わたしたちの心を何よりもけだかく、美しくすることのできる真実の道でもあります。

Ｓ少年は、町へ出ると、時計屋の前に立つのが好きでした。

第一夜「お父さん、今日は何か変わったことがあったかい？」「また、六つになる子供がさらわれちゃったよ。

今からちようど六十年前に、フランスはドイツとの戦争にまけて、二十億円のばい償金を負はされ、アルザス・ローレイヌ州を奪はれました。

或（ある）田舎に貧乏な爺（ぢい）さんと、婆さんとが二人きりで暮してをりました。

或（ある）小さなお坊ちやんが、お誕生日のお祝ひに、箱入りのおもちやをもらひました。

夜おそくまで、おじいさんは仕事をしていました。

日常生活と発明科学や乃至はそれを応用した技術の上でのいろいろの発明がわたしたち人間の日常生活の有様を著しく変えて、そこにすぐれた文化の世界をつくり出してゆくことを、よくよく考えて見ますと、人間社会にとってこれらの発明がどれほど尊いものであるかということが、しみじみとわかって来るでしょう。

むかしむかし、或（ある）山の上にさびしい湖水がありました。

太陽ばかりは、人類のはじめから、いや、それどころか、地球のできたはじめから、光のとどくかぎり、あらゆるものを見てきました。

電気学の始まり十九世紀の終りから今世紀にかけては、電気の世のなかと言われているほどに、電気の利用がさかんになって来ました。

昔ペルシャの国に、ハムーチャという手品師がいました。

いかにも楽しそうな顔つきをした、かなりの年の人が、汽船に乗っていました。

すゞ子のぽつぽは、二人とも小さな／＼赤いお手帳をもつてゐます。

自転車屋の店に、古自転車が、幾台も並べられてありました。

今雄さんは、五年級甲組の一番でした。

ウェストミンスター寺院イギリスのロンドンのテームズ河の北側に著名なウェストミンスター寺院というのがあります。

要吉は、東京の山の手にある、ある盛り場の水菓子屋の小僧さんです。

汽車のやうな郊外電車が、勢ひよくゴッゴッゴッゴッと走つて来て、すぐそばの土堤の上を通るごとに、子供達は躍り上つて、思はず叢（くさむら）から手を挙げました。

南洋のあまり世界の人たちには知られていない島に住んでいる二人の土人が、難船から救われて、ある港に着いたときでありました。

エネルギーの原理皆さんは物理学の上でエネルギー恒存の原理というもののあることを知って居られるでしょう。

この港は山の陰になっていましたから、穏やかな、まことにいい港でありました。

生物の進化の問題科学の上の学説や理論のうちで、今日までに広く世間一般の問題にされたものはいろいろありますが、そのなかで或（あ）る方面から強い反対を受け、それを称える学者に社会的な迫害を与えるほどになったものとして、古くはコペルニクスの地動説があり、近代になってはダーウィンの生物進化論のあることは、多分皆さんも知られていることでありましょう。

さびしい、暗い、谷を前にひかえて、こんもりとした森がありました。

正覚坊というのは、海にいる大きな亀のことです。

むかしむかし、ひとりの貧しい王子がいました。

ある田舎に光治という十二歳になる男の子がありました。

あるところに、二十五人のすずの兵隊さんがいました。

ある山国に、美しい湖がありました。

ある田舎の山里に、甚兵衛という馬方がいました。