青空文庫の児童文学全作品（28ページ目）

微生物学の発達人間の病気にはいろいろの種類がありますが、そのなかで最も恐ろしいものは伝染病であって、昔の時代にはコレラやペストや天然痘などの伝染病がひどく流行し、それで数えきれないほどたくさんの人々の生命を奪ったことも、ずいぶん度々あったのでした。

清造はその朝になって、やっとにぎやかな町に出ました。

一人の乞食の小僧が山の奥深く迷い入って、今まで人間の行った事のない処まで行くと、そこに猿の都というものがあった。

後になってから、烏帽子岳という名がついたけれど、むかしは、ただ三角形の山としか、知られていませんでした。

赤ん坊をおぶった、男の乞食が町へはいってきました。

むかし、トルコに、ハボンスといふ手品師がゐました。

この農園のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけています。

それは、春の遅い、雪の深い北国の話であります。

ある野原の薄藪の中に、母と子との二匹の鶉（うづら）が巣を構へてをりました。

むかし、むかし、京都の町でねずみがたいそうあばれて、困ったことがありました。

とうげの、中ほどに、一けんの茶屋がありました。

むかし、ダマスカスといふ町に、イドリスといふなまけものがゐました。

むかし日本の国に、はじめて仏さまのお教えが、外国から伝わって来た時分のお話でございます。

村のとほりにそうた、青い窓とびらのついた小さな家に、気どりやの、そのくせ、お金にかけては、をかしなほどこまかな、おばあさんが、女中と二人で、ひつそりとくらしてゐました。

夏の日のことでありました。

あるところに、だれといって頼るところのない、一人の少年がありました。

「僕の帽子はおとうさんが東京から買って来て下さったのです。

ある大きな森のまえに、ひとりの木こりが、おかみさんといっしょに住んでいました。

ポピイとピリイとは、あるお屋敷の車庫の中で長い間一しょに暮して来た、もう中古の自動車です。

山姥と馬子冬の寒い日でした。

十四、五になる大概の家の娘がそうであるように、袖子もその年頃になってみたら、人形のことなぞは次第に忘れたようになった。

It was a cold winter morning in the forest. A little fox, who lived alone with his mother, walked out of the hole that was their home.“Ow!” cried he, holding his eyes and tumbling back to his mother. “Mommy, I’ve got something in my eyes! Ge...

「こどもクラブ」では、日曜日ごとに、朝の九時半から正午まで、子供会がありました。

人間が、天国のようすを知りたいと思うように、天使の子供らはどうかして、下界の人間は、どんなような生活をしているか知りたいと思うのであります。

不思議なランプがありました。

八っちゃんが黒い石も白い石もみんなひとりで両手でとって、股の下に入れてしまおうとするから、僕は怒ってやったんだ。

垣根の楓（かえで）が芽を萌（ふ）く頃だ。

土用波という高い波が風もないのに海岸に打寄せる頃になると、海水浴に来ている都の人たちも段々別荘をしめて帰ってゆくようになります。

ふしぎな器械「ぼく、生きているのがいやになった」三四郎が、おじさんのところへ来て、こんなことをいいだした。

はじめて見た機関砲今でこそ日本は、最新兵器をもつ世界一流の陸海軍国であるが、明治維新となり、はじめて陸海軍が出来た頃は、兵器でも軍隊の組織でもまだ尋常一年生で、すべて西洋諸国に学んでゐた。

赤い牛乳屋の車が、ガラ、ガラと家の前を走っていきました。

ガドルフの百合宮沢賢治［表記について］●底本に従い、ルビは小学校１・２年の学習配当漢字を除き、すべての漢字につけた。

むかし、あるところに、おかみさんに死なれたひとりの男と、だんなさんに死なれたひとりの女とがおりました。

道であった、顔見知りの人は、みすぼらしい正吉の母にむかって、「よく、女手ひとつで、むすこさんを、これまでになさった。

オーストラリヤの大陸近くに、木曜島といふ真珠貝の沢山取れる有名な島があります。

時男さん――それは私の幼な友だちの名まへです。

愚助は忘れん坊でありました。

ある村に、人のよいおじいさんがありました。

トゥロットのお家は貴族で、お父さまは海軍の士官ですが、今は遠方へ航海中で、トゥロットはお母ちやまや女中のジャンヌたちと一しよに、海岸の別荘でくらしてゐます。

むかしむかし、あるところに、王さまとお妃さまとがおりました。

むかし、ある所に大きな村がありました。

雪の降る日でした。

こい紫の、ちょうどなす色をした海の上を、赤い帯をたらし、髪の毛をふりみだしながら、気のくるった女が駈（か）けていくような、夏の雲を、こちらへきてからは、見られなくなったけれど、そのかわり、もっとやさしい女神が、もも色の長いたもとをうちふり、うちふり、子どもたちといっしょに鬼ごっこをしているような、なごやかな夕雲の姿を、このごろ毎日のごとく、街の上の空に、ながめるのであります。

ある日のことであります。

ある所にアア、サア、リイという三人の兄弟がありました。

トゥロットの別荘のうしろは、きれいな小さな砂浜になつてゐました。

北アメリカ大陸の北はずれ、北極海にのぞんだアラスカのお話です。

天下の勢力を一門にあつめて、いばっていた平家も、とうとう源氏のためにほろぼされて、安徳天皇を奉じて、壇ノ浦のもくずときえてからというもの、この壇ノ浦いったいには、いろいろのふしぎなことがおこり、奇怪なものが、あらわれるようになりました。

海に近く、昔の城跡がありました。

「絵を描きたくたって、絵の具がないんだからな。