青空文庫の児童文学全作品（30ページ目）

何処からともなく一人の僧侶が、この村に入って来た。

むかし、摂津国の阿倍野という所に、阿倍の保名という侍が住んでおりました。

むかしむかし、ひとりの漁師とそのおかみさんがおりました。

（この童話はとくに大人のものとして書きました。

白馬の姫君「ニナール、ちよつとお待ち」と、お父様のキャラ侯がよびとめました。

むかし、近江［＃ルビの「おうみ」は底本では「おおみ」］の国、琵琶湖の西のほとりの堅田に、ものもちの家がありまして、そこに、ふたりの兄弟がいました。

石太郎が屁（へ）の名人であるのは、浄光院の是信さんに教えてもらうからだと、みんながいっていた。

私は一年間、ある山奥の別荘でくらしたことがあります。

大正十二年のおそろしい関東大地震の震源地は相模なだの大島の北上の海底で、そこのところが横巾最長三海里、たて十五海里の間、深さ二十ひろから百ひろまで、どかりと落ちこんだのがもとでした。

山中の骸骨実験室の前の庭にある桐の若葉が、ようやく出そろった五月なかばのある朝。

母長男長女次男三男（病気の子）岡のふもとの竹やぶにかこまれた小さい家。

にいさんの松吉と、弟の杉作と、年もひとつちがいでしたが、たいへんよくにていました。

町はずれの森の中に、かわいいモミの木が一本、立っていました。

姉妹三人の星の女が、毎晩、美しい下界を見るたびに、あすこへ下りて見たいと言ひ／＼してゐました。

二少年みなさん、ジミー君とサム君とを、ご紹介いたします。

白金塊の紛失紅色ダイヤ事件の犯人は、意外にも塚原俊夫君の叔父さんでしたから、悪漢の捕縛を希望しておられた読者諸君は、あるいは失望されたかもしれませんが、これから私のお話しするのは、先年来、東京市内の各所を荒らしまわった貴金属盗賊団を俊夫君の探偵力によって見事に一網打尽にした事件です。

この小さな童謠集を「歌時計」と名づけたのは、べつに深い意味はない。

目次物のいわれ（上）［＃「（上）」は縦中横］そばの根はなぜ赤いか猿と蟹狐と獅子蛙とみみずすずめときつつき物のいわれ（下）［＃「（下）」は縦中横］ふくろうと烏蜜蜂ひらめほととぎす鳩物のいわれ（上）［＃「（上）」は縦中横］そばの根はなぜ赤いかあなたはおそばの木を知っていますか。

誘拐今年の夏は近年にない暑さが続きましたが、九月半ばになると、さすがに秋風が立ちはじめて、朝夕はうすら寒いくらいの気候となりました。

魚釣り塚原俊夫君が、魚釣りを好むことは、これまでまだ一度も皆さんに紹介しませんでしたが、俊夫君は、かつて動物学を修めたとき、ことに魚類の解剖と生理とに興味を持ちまして、それと同時に魚釣りも大好きになったのであります。

或（ある）山の村に、きれいな、青い湖水がありました。

毛を染めかへたお猫さんお正月が近づいて来たので、お猫さんのお父さんとお母さんはお猫さんをお風呂に入れて、毛皮の手入れをしなくちやならないと考へてをりました。

博士の死それは寒い寒い一月十七日の朝のことです。

謎の手紙これから皆さんに少年科学探偵塚原俊夫君を紹介します。

これは昔も昔も大昔のお話です。

軍港を出た五潜水艦謎の航路はどこまで「波のうねりが、だいぶ高くなって来ましたですな」先任将校は欄干につかまったまま、暗夜の海上をすかしてみました。

私が茨海の野原に行ったのは、火山弾の手頃な標本を採るためと、それから、あそこに野生の浜茄が生えているという噂（うわさ）を、確めるためとでした。

ハドソン夫人――彼女はシャーロック・ホームズの家主であるが、辛抱強い女性である。

いなかは、ほんとうにすてきでした。

貧乏な百姓の夫婦がいました。

サンタクロースがどこに住んでいるか、ごぞんじですか？実は、ニコニコ谷というところに住んでいるのです。

ホームズがつぶさに読んでいた手紙は、先刻届いたものだった。

東京の学校が休みになったので、彦太少年は三月ぶりに木谷村へ帰って来た。

七ツニナレバオシヨウガツキタヨコンドハイクツコンドハ六ツキヨネンハ五ツ七ツニナレバガツカウヘイクヨランドセルシヨツテゴホンヲイレテアミアゲハイテボウシヲカブリオテテヲフツテヒトリデイクヨ神詣年の初めの神まゐりお手々合はせてお社にみ国の栄え心から神にお願ひ...

著者より童謡は、童心から生れる言葉の音楽であります。

あれは九五年のこと、ここで触れるまでもない諸々の事情から、シャーロック・ホームズくんと私は、この国随一の大学町で数週間を過ごすこととなったのだが、その折に見舞われたのが、今よりお話するささやかながらも深い事件なのである。

これは、こしらへた冒険談ではなく、全くほんたうの事実話ですから、そのつもりでお聞き下さい。

牛ひきの和太郎さんは、たいへんよい牛をもっていると、みんながいっていました。

さて、八二年から九〇年にわたるシャーロック・ホームズの事件記録を瞥見してみると、面妖で面白いものが続々と現れるため、どれを取捨したものか難儀なものである。

ある日の夜、結婚して数ヶ月後のことだ。

ゆかいな時代このゆかいな探険は、千九百七十何年だかにはじめられた。

結婚してほどなく、私はパディントン区に医院を買った。

むかし、あるところに、エキモスという羊飼いの少年がいました。

それなりに種々雑多な記録をひと通り思い浮かべて、我が友人シャーロック・ホームズ特有の知性をいくらか説明しようと思うのだが、今、私は悩んでいる。

「いいかね。

わが親友シャーロック・ホームズくんは八九年の春、過労のため神経症になったのだが、これはそこから健康を取り戻すより少し前の話である。

旧の正月が近くなると、竹藪の多いこの小さな村で、毎晩鼓の音と胡弓のすすりなくような声が聞えた。

公表せんとして、このような短編を膨大な事件の山から選んで書く際の話だ。

一八九四年から一九〇一年に至るまで、シャーロック・ホームズは多忙の身であった。

いちばん先に、赤いトルコ帽をかむった一寸法師がよちよち歩いて来ます。