しろくまは、ほっきょくかいにのぞんだアラスカまたはシベリアにすんでいます。
しろくまは、ほっきょくかいにのぞんだアラスカまたはシベリアにすんでいます。
犬のおばあさんは一人で暮してゐましたが、一人で暮らすのは、大変淋しうございました。
犬のおばあさんは一人で暮してゐましたが、一人で暮らすのは、大変淋しうございました。
あるちいさな女の児と、大きな人形とが、ある日お花さんのおうちをたずねました。
あるちいさな女の児と、大きな人形とが、ある日お花さんのおうちをたずねました。
五ニンノサムライガタビヲシテアルヒヤマミチヲトホリカヽルト、木ノ下ニ一ピキノサルガヰマシタ。
五ニンノサムライガタビヲシテアルヒヤマミチヲトホリカヽルト、木ノ下ニ一ピキノサルガヰマシタ。
赤ちゃんは、お母さんのお乳にすがりついて、うまそうに、のんでいました。
赤ちゃんは、お母さんのお乳にすがりついて、うまそうに、のんでいました。
玉ネギサンハヱカキサンデンタ[#「デンタ」はママ]。
玉ネギサンハヱカキサンデンタ[#「デンタ」はママ]。
朝な朝な、東の空の紫色の雲の中に、一つの家族がありました。
朝な朝な、東の空の紫色の雲の中に、一つの家族がありました。
チューリップは、土の中で、お母さんから、世の中に出てからの、いろいろのおもしろい話をきいて、早...
チューリップは、土の中で、お母さんから、世の中に出てからの、いろいろのおもしろい話をきいて、早く芽を出したいものと思っていました。
子供が大ぜい遊んでいるところに雪がふって来ました。
子供が大ぜい遊んでいるところに雪がふって来ました。
ゑほんいぬさんとおねこさんがストーヴにあたりながらハイカラなゑほんをみてゐました。
ゑほんいぬさんとおねこさんがストーヴにあたりながらハイカラなゑほんをみてゐました。
正ちゃんとよし子さんが、ごもんのところへたらいをだして、水をいれると、まんまるな月のかおがうつ...
正ちゃんとよし子さんが、ごもんのところへたらいをだして、水をいれると、まんまるな月のかおがうつって、にこにことわらいました。
お母さんが、去年の暮れに、町から買ってきてくださったお人形は、さびしい冬の間、少女といっしょに...
お母さんが、去年の暮れに、町から買ってきてくださったお人形は、さびしい冬の間、少女といっしょに、仲よく遊びました。
たゞぼんやりと――自分は安倍さんの顔を瞶めた、必ずや自分の顔も安倍さんと同じやうに蒼然と変つて...
たゞぼんやりと――自分は安倍さんの顔を瞶めた、必ずや自分の顔も安倍さんと同じやうに蒼然と変つてゐたに違ひない――大正十年三月五日午後二時十分――ちよつと自分はテーブルを離れて、どこだつたか歩いてゐた、さうしてテーブルのところへ帰らうとして、ストーブの前へ来た時、向方から慌しく駆けて来た安倍さんが、「アツ……君々、大井君が死んだとさ……」「えツ?」まさか、そんなことはあるまい、――と自分は思つた。
あかとらが、みけにであって、「そのくびにつけた、ぴかぴかするものはなんですか。
あかとらが、みけにであって、「そのくびにつけた、ぴかぴかするものはなんですか。
やまでらのおしょうさんがびょうきになりましたので、かわりにこぞうさんがだんかへおきょうをよみに...
やまでらのおしょうさんがびょうきになりましたので、かわりにこぞうさんがだんかへおきょうをよみにいきました。
「かずおちゃん、どうしてなみだをだしたんだい?」と、たろうさんがききました。
「かずおちゃん、どうしてなみだをだしたんだい?」と、たろうさんがききました。
普通中学校などに備え付けてある顕微鏡は、拡大度が六百倍乃至八百倍ぐらいまでですから、蝶(ちょう...
普通中学校などに備え付けてある顕微鏡は、拡大度が六百倍乃至八百倍ぐらいまでですから、蝶(ちょう)の翅(はね)の鱗片や馬鈴薯の澱粉粒などは実にはっきり見えますが、割合に小さな細菌などはよくわかりません。
ある時、きりぎりすさんが、靴屋さんをはじめることになりました。
ある時、きりぎりすさんが、靴屋さんをはじめることになりました。
アルトコロニ、学者デ、近眼デソヽツカシイカヘルサンガアリマシタ。
アルトコロニ、学者デ、近眼デソヽツカシイカヘルサンガアリマシタ。
フユノサムイサムイヨフケ、ヒユーンヒユーントコガラシノフクオソラノ上ノハウデ三ツナランダコドモ...
フユノサムイサムイヨフケ、ヒユーンヒユーントコガラシノフクオソラノ上ノハウデ三ツナランダコドモノホシガ、ケンクワヲシマシタ。
タケノコハハジメヂビタノシタニヰテ、アツチコツチヘクグツテイクモノデアリマス。
タケノコハハジメヂビタノシタニヰテ、アツチコツチヘクグツテイクモノデアリマス。
たけのこははじめじびたのしたにいて、あっちこっちへくぐっていくものであります。
たけのこははじめじびたのしたにいて、あっちこっちへくぐっていくものであります。
お父さんの蛙が田圃へ虫とりに行ったまま帰って来ませんので、お神さんの蛙と子供の蛙が心配をして探...
お父さんの蛙が田圃へ虫とりに行ったまま帰って来ませんので、お神さんの蛙と子供の蛙が心配をして探しに行きましたら、かわいそうにお父さん蛙は鵙(もず)に捕えられて茅(かや)の刈り株に突き刺されて日干になって死んでいました。
ウミベヘツイタ時ニハ、カイガンノスナハ人デマツクロニナツテイマシタノデ、オ母サンハヨシヲサンニ...
ウミベヘツイタ時ニハ、カイガンノスナハ人デマツクロニナツテイマシタノデ、オ母サンハヨシヲサンニ、「マヒゴニナラナイヤウニネ。
私は、幼いころのお父さん、お母さん、おばあさんの思ひ出は、はつきりしてをります中に、おぢいさん...
私は、幼いころのお父さん、お母さん、おばあさんの思ひ出は、はつきりしてをります中に、おぢいさんといふ人を少しも知りません。
ヲンナノコガイケノフチカラミズノナカヲノゾイテヲリマシタ。
ヲンナノコガイケノフチカラミズノナカヲノゾイテヲリマシタ。
村のかじやさんは、はたらき者で、いつも夜おそくまで、テンカン、テンカンと、かなづちをならしてい...
村のかじやさんは、はたらき者で、いつも夜おそくまで、テンカン、テンカンと、かなづちをならしていました。
ムラヤクバノマヘノヒロツパニフルボケタバシヤガアリマシタ。
ムラヤクバノマヘノヒロツパニフルボケタバシヤガアリマシタ。
ミチコサンガ、コトリヤノマヘマデクルト、シラナイオバサンガ、ウバグルマノナカノニモツヲナホシテ...
ミチコサンガ、コトリヤノマヘマデクルト、シラナイオバサンガ、ウバグルマノナカノニモツヲナホシテヰマシタ。
あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。
あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。
むかし神代のころに、大国主命の幸魂、奇魂の神さまとして、この国へ渡っておいでになった大物主命は...
むかし神代のころに、大国主命の幸魂、奇魂の神さまとして、この国へ渡っておいでになった大物主命は、後に大和国の三輪の山におまつられになりました。
詩や、空想や、幻想を、冷笑する人々は、自分等の精神が、物質的文明に中毒したことに気付かない人達です。
詩や、空想や、幻想を、冷笑する人々は、自分等の精神が、物質的文明に中毒したことに気付かない人達です。
今年十になつた、大根さんのお家はお父さんが髪床やさんでした。
今年十になつた、大根さんのお家はお父さんが髪床やさんでした。
空は美しく澄みわたつてゐて、青い西洋皿をさかさにしたやうに山と山との間にかゝつてゐました。
空は美しく澄みわたつてゐて、青い西洋皿をさかさにしたやうに山と山との間にかゝつてゐました。
泉水の中に、こいと金魚が、たのしそうに泳いでいました。
泉水の中に、こいと金魚が、たのしそうに泳いでいました。
わたしが子どもだったじぶん、わたしの家は、山のふもとの小さな村にありました。
わたしが子どもだったじぶん、わたしの家は、山のふもとの小さな村にありました。
ヒガカンカンテツテヰルノデジロウハアツクテタマラナクナリマシタ。
ヒガカンカンテツテヰルノデジロウハアツクテタマラナクナリマシタ。
ある日、みつ子さんがお座敷のお縁側で、お友達の千代子さんと遊んでゐますと、涙ぐんだ小さな声で唄...
ある日、みつ子さんがお座敷のお縁側で、お友達の千代子さんと遊んでゐますと、涙ぐんだ小さな声で唄が聞えて来ました。
「シトシトシトシト」とちいさなおとをさせてあめくんがやつてきました。
「シトシトシトシト」とちいさなおとをさせてあめくんがやつてきました。
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