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60分以内で読める田中貢太郎の中編作品

青空文庫で公開されている田中貢太郎の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編16作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(12,001〜24,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
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序記国土成生の伝説大正十二年九月一日の大地震及び地震のために発したる大火災に遭遇して、吾吾日本人は世界の地震帯に縁取られ、その上火山系の上に眠っているわが国土の危険に想到して、今さらながら闇黒な未来に恐怖しているが、しかし考えてみれば、吾吾は小学校へ入った時から、わが国土が地震と火山とに終始していて、吾吾国民の上には遁(のが)れることのできない宿命的な危険が口を開いて待っているということを教えられていたように思われる。
日本には怪談はかなりあるけれども、其の多くは仏教から胚胎した因果物語か、でなければ狐狸などの妖怪であって、独立した悪魔のような物語はあまりない。
※(きれい)三島讓(じょう)は先輩の家を出た。
※(きれい)山根謙作は三の宮の停留場を出て海岸のほうへ歩いていた。
※(ぎれい)私はこの四五年、欲しい欲しいと思っていた「子不語」を手に入れた。
日本の幽霊は普通とろとろと燃える焼酎火の上にふうわりと浮いていて、腰から下が無いことになっているが、有名な円朝の牡丹燈籠では、それがからこんからこんと駒下駄の音をさして生垣の外を通るので、ちょっと異様な感じを与えるとともに、そのからこんからこんの下駄の音は、牡丹燈籠を読んだ者の神経に何時までも遺っていて消えない。
八人みさきの話田中貢太郎「七人御先(みさき)」高知市の南に当る海岸に生れた私は、少年の比(ころ)、よくこの御先の話を耳にした。
桑生は泝州の生れであって、名は暁、字は子明、少い時に両親に死別れて紅花埠という所に下宿していた。
不意に陽がかげって頭の上へ覆をせられたような気がするので、南三復は騎っている驢(ろば)から落ちないように注意しながら空を見た。
※(きれい)暖かな宵の口であった。
越中の放生津の町中に在る松や榎の飛び飛びに生えた草原は、町の小供の遊び場所であった。
杭州の西湖へ往って宝叔塔の在る宝石山の麓、日本領事館の下の方から湖の中に通じた一条の長※(がく)を通って孤山に遊んだ者は、その長※(がく)の中にある二つの石橋を渡って往く。
普請奉行の一木権兵衛は、一人の下僚を伴れて普請場を見まわっていた。
幕末の比であった。
伊藤喜兵衛は孫娘のお梅を伴れて、浅草観音の額堂の傍を歩いていた。
※(みは)山根省三は洋服を宿の浴衣に着更えて投げだすように疲れた体を横に寝かし、隻手で肱枕をしながら煙草を飲みだした。
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