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野村胡堂の全作品(4ページ目)

青空文庫で公開されている野村胡堂の全作品405篇を、おすすめ人気順で表示しています。

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プロローグ話し手の望月辛吉は、有名なジレッタントで、レコードの蒐集家の一人として知られた男でした。
「親分、良い陽気じゃありませんか。
捕物小説を書くことの六つかしさに私は近頃悩み抜いて居る。
「親分、こいつは変っているでしょう。
「親分の前だが――」ガラッ八の八五郎は、何やらニヤニヤとしております。
「親分、折角ここまで来たんだから、ちょいと門前町裏を覗いてみましょうか」銭形平次と子分の八五郎は、深川の八幡様へお詣りした帰り、フト出来心で結改場(楊弓場)を覗いたのが、この難事件に足を踏込む発端でした。
ガラッ八の八五郎は、こんないい心持になったことはありません。
「親分、面白い話があるんだが――」ガラッ八の八五郎は、木戸を開けて、長い顔をバアと出しました。
「親分、あれを聞きなすったかい」「あれ?上野の時の鐘なら毎日聞いているが――」銭形平次は指を折りました。
不思議な手紙「兄貴、こいつは一杯食わされたらしいぜ」「叱(し)ッ」関東新報の社会部長で、名記者と言われた千種十次郎は、好んで斯(こ)んな伝法な口をきく、部下の早坂勇――一名足の勇――をたしなめるように、霞門の方から入って来る狭い道を指しました。
話はガラッ八の八五郎から始まります。
「親分、良庵さんが来ましたぜ」「ヘエ――、朝から変った人が来るものだね、丁寧に通すがいい」銭形の平次は居ずまいを直して、客を迎えました。
「こいつは驚くぜ、親分」ガラツ八の八五郎は、相變らず素頓狂な聲を出し乍ら飛込んで來ました。
「親分、変なことがあるんだが――」ガラッ八の八五郎がキナ臭い顔を持ち込んだのは、まだ屠蘇(とそ)機嫌のぬけ切らぬ、正月六日のことでした。
元日の昼下り、八丁堀町御組屋敷の年始廻りをした銭形平次と子分の八五郎は、海賊橋を渡って、青物町へ入ろうというところでヒョイと立止りました。
「ガラッ八、俺をどこへ伴れて行くつもりなんだい」「まア、黙って蹤(つ)いてお出でなせい。
「八、あれに氣が付いたか」兩國橋の夕景、東から渡りかけて平次はピタリと足を停めました。
「親分、世間はたうとう五月の節句となりましたね」八五郎が感慨無量の聲を出すのです。
「親分、元飯田町の騒ぎを御存じですかえ」「なんだい、元飯田町に何があったんだ」ガラッ八の八五郎がヌッと入ると、見通しの縁側に踞(しゃが)んで、朝の煙草にしている平次は、気のない顔を振り向けるのでした。
「さあ大變だ、親分」ガラツ八の八五郎は、髷先で春風を掻(か)きわけるやうにすつ飛んで來ました。
八五郎の顔の広さ、足まめに江戸中を駆け廻って、いたるところから、珍奇なニュースを仕入れて来るのでした。
流行歌手の死夜中の十二時――電気時計の針は音もなく翌る日の最初の時を指すと、社会部長の千種十次郎は、最後の原稿を一と纏(まと)めにして、ポンと統一部の助手の机に投りました。
「親分、山崎屋の隠居が死んだそうですね」ガラッ八の八五郎は、いつにない深刻な顔をして入って来ました。
柳原の土手下、ちょうど御郡代屋敷前の滅法淋しいところに生首が一つ転がっておりました。
「親分、あつしは百まで生きるときめましたよ」八五郎はまた、途方もない話を持ち込んで來るのです。
その頃錢形平次は、兇賊木枯の傳次を追つて、東海道を駿府へ、名古屋へ、京へと、揉みに揉んで馳せ上つて一と月近くも留守。
プロローグ奇談クラブその夜の話し手は、彫刻家の和久井献作でした。
「オヤお揃いだネ」カフェー人魚の闥(ドア)を押して、寒い風と一緒に飛込んで来たのは、関東新報記者の早坂勇――綽名を足の勇――という、筆より足の達者な男でした。
「お嬢さん、あなたはヴァイオリンをひきますか」隣席の西洋人は、かなり上手な日本語で、斯(こ)う信子に話しかけました。
「親分、長生きをしたくはありませんか」八五郎がまた、途方もないことを言ふのです。
「姐(ねえ)さん、谷中にお化けが出るんだが、こいつは初耳でせう」松が取れたばかり、世界はまだ屠蘇(とそ)臭いのに、空つ風に吹き寄せられたやうな恰好で、八五郎は庭木戸へ顎を載せるのでした。
「變な噂がありますよ、親分」子分の八五郎がまた何にか嗅ぎつけて來た樣子です。
花嫁の自動車が衝突した「花嫁の自動車は?」「まだ来ない、どうしたのだろう、急行の発車まで、五分しかないじゃないか」「迎えに行って見ましょうか」東京駅の待合室に集った人達は次第に募る不安に、入口からまっ暗な外を眺めたり、売店や三等待合室を覗いたりしました。
「親分、ちょいと逢ってお願いしたいという人があるんだが――」ガラッ八の八五郎は膝っ小僧を揃(そろ)えて神妙に申上げるのです。
「親分、面白い話があるんだが――」ガラッ八の八五郎は、妙に思わせぶりな調子で、親分の銭形平次に水を向けました。
呪われた名曲「どうなさいました、貴方」若い美しい夫人の貴美子は、夫棚橋讃之助の後を追って帝劇の廊下に出ました。
両国に小屋を掛けて、江戸開府以来最初の軽業というものを見せた振袖源太、前髪立ちの素晴らしい美貌と、水際立った鮮やかな芸当に、すっかり江戸っ子の人気を掴(つか)んでしまいました。
「八、居るかい」向う柳原、七曲の路地の奧、洗ひ張り、御仕立物と、紙に書いて張つた戸袋の下に立つて、平次は二階に聲を掛けました。
「親分、変なことがありますよ」「何が変なんだ。
「親分、あつしはもう口惜しくて口惜しくて」八五郎はいきなり怒鳴り込むのです。
覆面の女達武蔵野の片ほとり、軒端に富士を眺めて、耳に多摩川の瀬の音を聞こうと言った場所にいとも清浄なる一宇の堂が建って居りました。
「世の中に、金持ほど馬鹿なものはありませんね」「貧乏人は皆んな、そんな事を言ふよ、つまらねえ持句さ」平次と八五郎は、相變らず空茶に馬糞煙草で、いつものやうな掛け合ひを始めて居ります。
「お早やうございます」花は散つたが、まだ申分なく春らしい薄靄のかゝつた或朝、ガラツ八の八五郎は、これも存分に機嫌の良い顏を、明神下の平次の家へ持込んで來ました。
「八、久しく顔を見せなかったな」銭形の平次は縁側一パイの三文盆栽を片付けて、子分の八五郎のために座を作ってやりながら、煙草盆を引寄せて、甲斐性のない粉煙草をせせるのでした。
「親分、變な事があるんだが――」ガラツ八の八五郎が、鼻をヒクヒクさせ乍ら來たのは、後の月が過ぎて、江戸も冬仕度に忙しいある朝のことでした。
「八、目黒の兼吉親分が来ていなさるそうだ。
相變らず捕物の名人の錢形平次が大縮尻をやつて笹野新三郎に褒められた話。
「八、何んか良い事があるのかい、大層嬉しさうぢやないか」「へツ、それほどでもありませんよ親分、今朝はほんの少しばかり寢起がいゝだけで――」ガラツ八と異名で呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦を噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがい頤(あご)を撫で廻すのでした。
「海野さんのものを全部読まして下さい」と言って来た、若い電気学生があった。
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