子供が鉛筆を削っているとあまり無茶に削るので何べんでもシンが折れました。
子供が鉛筆を削っているとあまり無茶に削るので何べんでもシンが折れました。
電信柱が寒い風にあたってピーピーと泣いておりました。
電信柱が寒い風にあたってピーピーと泣いておりました。
お腹の空いた狼が野道を歩いて来ますと、遠くに一人の赤ん坊が寝ているのを見つけました。
お腹の空いた狼が野道を歩いて来ますと、遠くに一人の赤ん坊が寝ているのを見つけました。
ある国で第一番の上手というお医者さんが、ある町に招かれて来ました。
ある国で第一番の上手というお医者さんが、ある町に招かれて来ました。
森の神様が砂原を旅する人々のために木や竹を生やして、真青に茂りました。
森の神様が砂原を旅する人々のために木や竹を生やして、真青に茂りました。
「ある人が橋の下で友達に会う約束をして待っていた。
「ある人が橋の下で友達に会う約束をして待っていた。
良心財産を私有する勿れ心念を私有する勿れ汝の全霊を万有進化の流れと共鳴一致せしめよ常に無限なれ...
良心財産を私有する勿れ心念を私有する勿れ汝の全霊を万有進化の流れと共鳴一致せしめよ常に無限なれ万古に清朗なれ良心は一切の本能が互いに統制し、自他の共鳴を完全にして、人文の進化を極致に導き来り、導きつつあり、導き行かんとする人類共通の最重大の本能也。
与太郎は毎日隣村へ遊びに行って、まだ日の暮れぬうちに森を通って帰って来ました。
与太郎は毎日隣村へ遊びに行って、まだ日の暮れぬうちに森を通って帰って来ました。
凧(たこ)屋の店にいろいろ並んでいる凧の中で、達磨と章魚とが喧嘩をはじめました。
凧(たこ)屋の店にいろいろ並んでいる凧の中で、達磨と章魚とが喧嘩をはじめました。
子供が大ぜい遊んでいるところに雪がふって来ました。
子供が大ぜい遊んでいるところに雪がふって来ました。
お父さんの蛙が田圃へ虫とりに行ったまま帰って来ませんので、お神さんの蛙と子供の蛙が心配をして探...
お父さんの蛙が田圃へ虫とりに行ったまま帰って来ませんので、お神さんの蛙と子供の蛙が心配をして探しに行きましたら、かわいそうにお父さん蛙は鵙(もず)に捕えられて茅(かや)の刈り株に突き刺されて日干になって死んでいました。
一匹の斑猫が人間の真似をして梅の木にのぼって花を嗅いでみました。
一匹の斑猫が人間の真似をして梅の木にのぼって花を嗅いでみました。
太郎さんはしじゅう寝ぼけてしくじるので、口惜しくてたまりません。
太郎さんはしじゅう寝ぼけてしくじるので、口惜しくてたまりません。
昔ある処に力の強い、何でも上手の男が二人おりました。
昔ある処に力の強い、何でも上手の男が二人おりました。
お天気のいい日に斑猫が縁側に坐ってしきりに顔を撫で廻しておりました。
お天気のいい日に斑猫が縁側に坐ってしきりに顔を撫で廻しておりました。
夏冬繁緒、河東茂生、滋岡透、そのほかいろいろ……田舎者の私は、みんな別々の人間のペンネームかと...
夏冬繁緒、河東茂生、滋岡透、そのほかいろいろ……田舎者の私は、みんな別々の人間のペンネームかと思っていた。
東京では今度大地震と大火事がありましてたくさんのひとが死にました。
東京では今度大地震と大火事がありましてたくさんのひとが死にました。
こんな事を書くと文学青年じみるが、事実文学青年の古手に相違ないのだから仕方がない。
こんな事を書くと文学青年じみるが、事実文学青年の古手に相違ないのだから仕方がない。
武雄さんはお母さんが亡くなられてから大層わるくなりました。
武雄さんはお母さんが亡くなられてから大層わるくなりました。
昔、ある街の町外れで大勢の乞食が集まって日なたぼっこしながら話しをしておりましたが、その中で一...
昔、ある街の町外れで大勢の乞食が集まって日なたぼっこしながら話しをしておりましたが、その中で一人の若い乞食が大きな声を出して申しました。
私には「探偵趣味」という意味がハッキリとわからない。
私には「探偵趣味」という意味がハッキリとわからない。
「百万円あったら、ああしよう……こうしよう」と空想していた青年中村芳夫は、思いもかけぬ伯母の遺...
「百万円あったら、ああしよう……こうしよう」と空想していた青年中村芳夫は、思いもかけぬ伯母の遺産を受け継いで一躍百万長者になった。
ヒイラ、フウラ、ミイラよミイラのおべべが赤と青そうしておかおが真黒け四つよく似たムクロージ五つ...
ヒイラ、フウラ、ミイラよミイラのおべべが赤と青そうしておかおが真黒け四つよく似たムクロージ五ついつまでねんねして六つむかしの夢を見て何千万何億年やっとこさあと眼がさめて九つことしはおめでとうとんだりはねたり躍ったりとうとう一貫借りました。
探偵小説作家なぞと呼ばれて返事を差出すのは、如何にも烏滸(おこ)がましい気がして赤面します。
探偵小説作家なぞと呼ばれて返事を差出すのは、如何にも烏滸(おこ)がましい気がして赤面します。
筆者は酒が一滴も飲めないのに、友達は皆酒豪ばかりと言っていい。
筆者は酒が一滴も飲めないのに、友達は皆酒豪ばかりと言っていい。
「女を見て美しいと思うものは、罪を犯した者だ」という基督の眼から見れば、たいていの人間は犯罪者...
「女を見て美しいと思うものは、罪を犯した者だ」という基督の眼から見れば、たいていの人間は犯罪者……だと思う。
私は遠からず路傍の木乃伊になってしまいそうな気がする。
私は遠からず路傍の木乃伊になってしまいそうな気がする。
ちえ子さんは可愛らしい奇麗な児でしたが、勉強がきらいで遊んでばかりいるので、学校を何べんも落第...
ちえ子さんは可愛らしい奇麗な児でしたが、勉強がきらいで遊んでばかりいるので、学校を何べんも落第しました。
むかしあるところに一人の欲ばりの坊さんがおりました。
むかしあるところに一人の欲ばりの坊さんがおりました。
炭焼きの勘太郎は妻も子も無い独身者で、毎日毎日奥山で炭焼竈(がま)の前に立って煙の立つのを眺め...
炭焼きの勘太郎は妻も子も無い独身者で、毎日毎日奥山で炭焼竈(がま)の前に立って煙の立つのを眺めては、淋しいなあと思っておりました。
太郎さんはお父さまから銀色にピカピカ光る空気銃を一梃頂きました。
太郎さんはお父さまから銀色にピカピカ光る空気銃を一梃頂きました。
露子さんは継子で、いつもお母さんからいじめられて泣いてばかりいました。
露子さんは継子で、いつもお母さんからいじめられて泣いてばかりいました。
┏━━━━━━━┓┃「生活」│┃┃+│┃┏━┓┃「戦争」│0┃=┃能┃┃+│┃┗━┛┃「競技」...
┏━━━━━━━┓┃「生活」│┃┃+│┃┏━┓┃「戦争」│0┃=┃能┃┃+│┃┗━┛┃「競技」│┃┗━━━━━━━┛この標題は表現派の禁厭札ではない。
※
マークのついた作品は著作権が存続しています。 詳細は
青空文庫公式サイトの取り扱い基準 をご確認のうえ、取り扱いの際は十分注意してください。