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児童書版

わが路ゆかむ

三好達治
『わが路ゆかむ』は青空文庫で公開されている三好達治の短編作品。1,023文字で、おおよそ5分以内で読むことができます。
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5分以内   1,023 文字
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書き出し
烏帽子見ゆ四阿[#ルビの「あづま」は底本ではなし]猫見ゆ淺間見ゆわが路ゆかむ日の暮るるまで鎗が嶺によべ雪ふりぬ草枕旅寢の夢をめざめて見れば一の枝二の枝三の枝にふれ何の落葉か地におつる音いくひらの殘りの落葉おつる音落葉林にひびかひにけり黄金なす陽は落ちにけりはやもはや雪の山山藍にかげろふ芋はこぶ車の越ゆ...
初出
底本
「三好達治全集第一卷」筑摩書房, 1964(昭和39)年10月15日
表記
旧字旧仮名
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測量船
三好達治
春の岬春の岬旅のをはりの鴎どり浮きつつ遠くなりにけるかも[#改ページ]乳母車母よ――淡くかなしきもののふるなり紫陽花いろのもののふるなりはてしなき並樹のかげをそうそうと風のふくなり時はたそがれ母よ私の乳母車を押せ泣きぬれる夕陽にむかつて※々(りんりん)と私の乳母車を押せ赤い総ある天鵞絨の帽子をつめたき額にかむらせよ旅いそぐ鳥の列に...
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鴉靜かな村の街道を筧が横に越えてゐるそれに一羽の鴉がとまつて木洩れ陽の中に空を仰ぎ地を眺め私がその下を通るときある微妙な均衡の上に翼を※(をさ)めて秤(はかり)のやうに搖れてゐた湯沸したぎり初めた湯沸し……それはお晝休みの小學校の校庭だ藤棚がある池がある僕らはそこでじやんけんする僕は走る僕は走る……かうして肱をついたまま夜の中にたぎり初めた湯沸し……靜夜柱時...
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檸檬忌
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友よ友よ四年も君に會はずにゐる……さうしてやつと君がこの世を去つたのだとこの頃私は納得したもはや私は悲しみもなく愕きもなく(それが少しもの足りない)君の手紙を讀みかへす――昔のレコードをかけてみる。
5分以内