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山本周五郎の全作品(2ページ目)

青空文庫で公開されている山本周五郎の全作品69篇を、おすすめ人気順で表示しています。

51〜69件 / 全69件
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吉村弥十郎はその手紙を三度もらって、三度とも読むとすぐに捨てた。
練り馬場と呼ばれるその広い草原は、城下から北へ二十町あまりいったところにある。
二年あまり病んでいた母がついに世を去ったのは弁之助が七歳の年の夏のことであった。
ゆうべ酉(とり)の刻さがりに長橋のおばあさまが亡くなられた。
「きょうここを出てゆけば、おまえにはもう安倍の家よりほかに家とよぶものはなくなるのだ、父も母もきょうだいも有ると思ってはならない」父の図書にはそう云われた。
妹たちが来たとき弥生はちょうど独りだった。
「あたしの主人はこんど酒井さまのお馬脇に出世したそうですよ」厚い大きな唇がすばらしく早く動いて、調子の狂った楽器のような、ひどく嗄(か)れた声が止めどもなく迸(ほとば)しり出た。
お石が鈴木家へひきとられたのは正保三年の霜月のことであった。
お孝はときどき自分が恥ずかしくなる。
今泉第二は藩主の参覲の供に加わって、初めて江戸へゆくことになったとき、和田軍兵衛の長女しのを嫁に欲しいと親たちに申し出た。
折岩半之助が江戸から着任した。
「ただいやだなんて、そんな子供のようなことを云ってどうなさるの、あなた来年はもう二十一になるのでしょう」「幾つでもようございますわ、いやなものはいやなんですもの」こう云って文代はすました顔で菓子を摘んだ。
江戸の上邸へ着任した秋成又四郎は、その当座かなり迷惑なおもいをさせられた。
一の「また酔っちまったのかい、しようのないこだねえ、お客さんはどうしたの」「いま菊ちゃんが出てるわ、こうなっちゃだめよかあさん、このひとにはお侍はいけないって、あたしそ云ってあるじゃないの」「お侍ばかりじゃないじゃないか、お客ってお客を振るんじゃないか、それあ今のうちはいいさ、稼ぐことは稼いで呉れるんだから、こっちはまあいいけどさ、こんなこっちゃおまえ、いまにお客が黙っちゃいないよ、さんざっぱらおまわりだのちんちんだの好きなようにひきまわしておいてさ、いざとな...
菊千代は巻野越後守貞良の第一子として生れた。
一の典木泰助が来たときは誰もさほど気にしなかった。
みぞれの街道場からあがり、汗みずくの稽古着をぬいでいると、秋田平八が来て「おめでとう」と云った。
前篇青みを帯びた皮の、まだ玉虫色に光っている、活きのいいみごとな秋鯵だった。
変事九月中旬のある晴れた日の午後。
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