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林芙美子の全作品

青空文庫で公開されている林芙美子の全作品69篇を、おすすめ人気順で表示しています。

1〜50件 / 全69件
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第一部[#改ページ]放浪記以前私は北九州の或る小学校で、こんな歌を習った事があった。
秋が来たんだ十月×日一尺四方の四角な天窓を眺めて、始めて紫色に澄んだ空を見た。
理性が万物の根拠でありそして万物が・理性あるならば若し理性を棄て理性を憎むことが不幸の最大なものであるならば……。
父は風琴を鳴らすことが上手であった。
夕方、五時頃うかがいますと云う電話があったので、きんは、一年ぶりにねえ、まア、そんなものですかと云った心持ちで、電話を離れて時計を見ると、まだ五時には二時間ばかり間がある。
昔、ききんのつづいた年がありました。
西陽の射してゐる洗濯屋の狭い二階で、絹子ははじめて信一に逢つた。
夜になって、ふしぎな岩は、そっと動きはじめました。
火の氣がないので、私は鷄介と二人で寢床にはいつてゐた。
神聖だと云ふ事はいつたい何だらう?彼女は、いつも、そんな場所に到ると、ふふんと、心の中で苦笑してゐた。
風が冷いので、りよは陽の当たる側を選んで歩いた。
奥様同士が子供を連れての立話に、「まア!お久しうございます。
倫敦で二ヶ月ばかり下宿住いをしたことがあるけれど、二ヶ月のあいだじゅう朝御飯が同じ献立だったのにはびっくりしてしまった。
1信満洲の長春へ着いたのが十一月十二日の夜でした。
暗い水のほとりで蝋燭の燈が光つてゐる。
ばうばうとした野原に立つて口笛をふいてみてももう永遠に空想の娘らは来やしない。
斷崖絶壁の山道を往復四十里して、吉野川の下流、白地の村まで下つて來ると、恍惚の景色にも大分辟易して來てゐて、乘合自動車もろとも、河の中へ眞逆さまに落ちこんでしまひたくなつてゐる。
私はもう長い間、一人で住みたいと云(い)う事を願って暮した。
水気の多い南風が吹いていて、朝からごろごろ雷が鳴っていた。
遠いところから北風が吹きつけている。
赤い屋根だつたけれど、小さい家にお婆さんがひとりで住んでゐた[#「でゐた」は底本では「ゐでた」]。
隣家には子供が七人もあつた。
ひらめの学校の女の校長先生は、このごろお年をとって眼鏡をかけました。
私は十三歳の時に、中国の尾道と云う町でそこの市立女学校にはいった。
暗い晩で風が吹いていました。
袷(あわせ)から単衣に変るセルの代用に、私の娘の頃には、ところどころ赤のはいった紺絣を着せられたものですが、あれはなかなかいいものだと思います。
むかしあるところに、梟が住んでいました。
むっくり、むっくり、誰もとおらない田舍みちを、龜さんが荷物を首にくくりつけて旅をしていました。
四國のある山の中に、おもしろい狐がすんでいました。
恋愛と云うものは、この空気のなかにどんな波動で飛んでいるのか知らないけれども、男が女がこの波動にぶちあたると、花が肥料を貰ったように生々として来る。
大木繁、滑川浩太郎、片貝巖、奧平善一、これだけが、おにおん倶樂部のメンバアである。
山崎朝雲と云うひとの家の横から動坂の方へぽつぽつ降りると、福沢一郎氏のアトリエの屋根が見える。
雨が降つて暗い昼間であつた。
第一信まるで、それは登山列車へでも乗つてゐるやうでありました。
東京駅のホームは学生たちでいっぱいだった。
九月にはいつて急に末の妹の結婚がきまつた。
美しい東京の街も、この數ヶ月の激しい變化で根こそぎ變つてしまひ、あの見果てぬ夢のやうな、愛しい都會のいとなみが、もう何も彼もみぢんにくだかれてしまつた。
青笹の描いてある九谷の湯呑に、熱い番茶を淹れながら、久江はふつと湯呑茶碗のなかをのぞいた。
小さい就職常次は東京へ來て三日目に職業がきまつた。
むつは、何か村中が湧きかえるような事件を起してやりたくて寢ても覺めても色々なことを考えていました。
ずゐぶん遠いむかしの話だけれど、由はうどんやの女中をした事がありました。
わたしは刑務所を見にゆくと云うことは初めてのことです。
わたしは、家のひとたちには無断で東京へ出て来た。
なににこがれて書くうたぞ一時にひらくうめすももすももの蒼さ身にあびて田舎暮らしのやすらかさ私はこのうたが好きで、毎日この室生さんのうたを唱歌のようにうたう。
岡山と広島の間に尾の道と云う小さな町があります。
宗谷本線の瀧川と云ふ古い驛に降りた。
その村には遊んでゐる女が二人ゐた。
遠き古里の山川を思ひ出す心地するなり私は、和田堀の妙法寺の森の中の家から、堰(せき)のある落合川のそばの三輪の家に引越しをして来た時、はたきをつかいながら、此様なうたを思わずくちずさんだものであった。
早苗はまるでデパートで買物でもするひとのやうに産院をまはつては、赤ん坊を貰ひに歩いてゐた。
砂風の吹く、うそ寒い日である。
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