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60分以内で読める吉川英治の中編作品

青空文庫で公開されている吉川英治の作品の中で、おおよその読了目安時間が「60分以内」の中編26作品を、おすすめ人気順に表示しています。

(12,001〜24,000文字の作品を対象としています。読了時間は「400字/分」の読書スピードで計算した場合の目安です)
1〜26件 / 全26件
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馬と兵と女七月の上旬である。
諸葛菜三国鼎立の大勢は、ときの治乱が起した大陸分権の自然な風雲作用でもあったが、その創意はもともと諸葛孔明という一人物の胸底から生れ出たものであることは何としても否みがたい。
鼻の白粉一夜、ある映画館で私はつい飛んでもない自分の阿呆をあたりのつつましい観客たちに暴露していた。
先ごろは、親鸞聖人の大遠忌があり、今夜も親鸞聖人についてご関心の深い、またご信仰の深い皆さまのお集まりと思うのでありますが、私はそうした皆さまにお話し申し上げるほどの何も持っていないんです。
飢餓山河「彦太承知だの」「む、行く」「二十日の寄合いにゃ、きっと、顔を出してくれや。
「――お待ちかねでいらっしゃる。
親の垢(あか)几帳面な藩邸の中に、たった一人、ひどく目障りな男が、この頃、御用部屋にまごまごしている。
母のすがたを見ると、甚助の眼はひとりでに熱くなった。
問う者が、(世の中に何がいちばん多いか)と訊いたところ、答える者が、(それは人間でしょう)と、云った。
十九の海騒『はてな。
お部屋様くずれ今夜も又、この顔合せでは、例によって、夜明かしとなること間違い無しである。
義経はもろ肌を脱いで、小冠者に、背なかの灸(きゅう)をすえさせていた。
山目付こんな奥深い峡谷は、町から思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配を選って山歩きをしていると草萌頃のむしむしとする地息に、毛の根が痒(かゆ)くなる程な汗を覚える。
五月雨は人を殺す?……人入れ渡世の銅鑼屋の亀さんの部屋にいる、日傭取の人足達も、七人が七人とも雨で、十日も仕事にあぶれて、みんな婆羅門の行者みたいに目を凹ましていた。
辰蔵の成人ぶりもお目にかけたい。
鳴門秘帖のころいま帰って来たばかりなんですよ。
藪椿(やぶつばき)裏藪の中に分け入って佇(たたず)むと、まだ、チチッとしか啼けない鶯(うぐいす)の子が、自分の袂(たもと)の中からでも飛んだように、すぐ側から逃げて行く。
立つ秋湯槽のなかに眼を閉じていても、世間のうごきはおよそわかる――。
明治二十五年(1892)八月十一日。
風入れ異変迅い雲脚である。
梅渓餓鬼草紙の中に住む一九先生に会うの機縁山谷堀の船宿、角中の亭主は、狂歌や戯作などやって、ちっとばかり筆が立つ。
春の雁(かり)からっとよく晴れた昼間ほど、手持ち不沙汰にひっそりしている色街であった。
暁からの本能寺の煙が、まだ太陽の面に墨を流しているうちに、凶乱の張本人、光秀の名と、信長の死は、極度な人心の愕きに作用されて、かなり遠方まで、国々の耳をつらぬいて行った。
笛は孤独でたのしめる。
雪の後北がわの屋根には、まだ雪が残っているのであろう、廂(ひさし)の下から室内は、広いので、灯がほしいほど薄暗いが、南の雀口にわずかばかりつよい陽の光が刎(は)ね返っていた。
木も草も枯れ果てて、河内の野は、霜の白さばかりが目に沁(し)みる。
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