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宮沢賢治の全作品(4ページ目)

青空文庫で公開されている宮沢賢治の全作品248篇を、おすすめ人気順で表示しています。

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アナロナビクナビ睡たく桐咲きて峡に瘧のやまひつたはるナビクナビアリナリ赤き幡もちて草の峠を越ゆる母たちナリトナリアナロ御堂のうすあかり毘沙門像に味噌たてまつるアナロナビクナビ踏まるゝ天の邪鬼四方につゝどり鳴きどよむなり。
かぎりなく鳥はすだけどこゝろこそいとそゞろなれ竹行李小きをになひ雲しろき飯場を出でぬみちのべにしやが花さけばかうもりの柄こそわびしきかすかなる霧雨ふりて丘はたゞいちめんの青谷あひの細き棚田に積まれつゝ廐肥もぬれたり。
土をも掘らん汗もせんまれには時に食まざらんさあれわれらはわれらなりながともがらといと遠しにくみいかりしこのことばいくそたびきゝいまもきゝやがてはさのみたゞさのみわが生き得んとうしなへるこゝろとくらきいたつきのさなかにわれもうなづきなんや。
卑屈の友らをいきどほろしく粘土地二片をはしりてよぎり崖にて青草黄金なるを知りのぼりてかれ草黄なるをふめば白雪きららに落ち来るものか一列赤赤ならべるひのきふたゝび卑屈の友らをおもひたかぶるおもひは雲にもまじへかの粘土地なるかの官庁に灰鋳鉄のいかりを投げよ。
廿日月かざす刃は音無しの黒業ひろごるそらのひまその竜之介風もなき修羅のさかひを行き惑ひすゝきすがるゝいのじ原その雲のいろ日は沈み鳥はねぐらにかへれどもひとはかへらぬ修羅の旅その竜之介。
赤き鳥居はあせたれど杉のうれ行く冬の雲野は殿堂の続きかなよくすかれたる日本紙は一年風に完けきと雪の反射に知りぬべしかしこは一の篩にてひとまづそこに香を浄み入り来るなりと云ひ伝ふ雪の堆のなかにしてりゝと軋れる井戸車野は楽の音に充つるかな。
早くもひとり雪をけりはるかの吹雪をはせ行くは木鼠捕りの悦治なり三人ひとしくはせたちて多吉ぞわらひ軋るとき寅は溜りに倒れゐし赤き毛布にくるまりて風くるごとに足小刻むは十にたらざる児らなれや吹雪きたればあとなる児急ぎて前にすがりつゝ一列遠くうすれ行く。
われらひとしく丘に立ち青ぐろくしてぶちうてるあやしきもののひろがりを東はてなくのぞみけりそは巨いなる塩の水海とはおのもさとれども伝へてきゝしそのものとあまりにたがふこゝちしてたゞうつゝなるうすれ日にそのわだつみの潮騒のうろこの国の波がしらきほひ寄するをのぞみゐたりき。
われはダルケを名乗れるものとつめたく最後のわかれを交はし閲覧室の三階より白き砂をはるかにたどるこゝちにてその地下室に下り来りかたみに湯と水とを呑めりそのとき瓦斯のマントルはやぶれ焔は葱の華なせば網膜半ば奪はれてその洞黒く錯乱せりしかくてぞわれはその文にダルケと名乗る哲人と永久のわかれをなせるなり。
ことことと行く汽車のはて温石いしの萱山の上にひとつの松ありてあるいは雷にうたれしや三角標にまがへりと大上段に真鍮の棒をかざしてさまよへりごみのごとくにあきつとぶ高圧線のま下にて秋をさびしき白服の酒くせあしき土木技手いましも汽車を避け了へてこなたへ来るといまははた急ぎガラスを入りにけり。
江釣子森の右肩に雪ぞあやしくひらめけどきみはいまさずルーノの君は見えまさず夜をつまれし枕木黒く群あちこちに安けれどきみはいまさずとゞろにしばし行きかへどきみはいまさずポイントの灯はけむれどもルーノのきみの影はなきあゝきみにびしひかりもてわが青じろき額を射ばわが悩あるは癒えなんに。
ま青きそらの風をふるはしひとりはたらく脱穀機R-R-r-r-r-r-r-r-r脱穀小屋の庇の下に首を垂れたる二疋の馬R-R-r-r-r-r-r-r-r粉雪おぼろにひかりたちはるかにりりと鐘なればうなじをあぐる二疋の馬華やかなりしそのかみのよきギャロップをうちふみてうまやにこそは帰り行くなれ。
洪積の台のはてなる一ひらの赤き粘土地桐の群白くひかれど枝しげくたけ低ければ鍛冶町の米屋五助は今日も来て灰を与へぬ。
外の面には春日うららにありとあるひびきなせるを灰いろのこの館には百の人けはひだになし台の上桜はなさき行楽の士女さゞめかんこの館はひえびえとして泉石をうち繞りたり大居士は眼をいたみはや三月の人の見るなく智応氏はのどをいたづき巾巻きて廊に按ぜり崖下にまた笛鳴りて東へととゞろき行くは北国の春の光を百里経て汽車の着きけん。
日ハ君臨シカガヤキハ白金ノ雨ソソギタリワレラハ黒キ土ニ俯シマコトノ草ノタネマケリ日ハ君臨シ穹窿ニミナギリ亙ス青ビカリ光ノ汗ヲ感ズレバ気圏ノキハミクマモナシ日ハ君臨シ玻璃ノマド清澄ニシテ寂カナリサアレヤミチヲ索メテハ白堊ノ霧モアビヌベシ日ハ君臨シカヾヤキノ太陽系ハマヒルナリケハシキ旅ノナカニシテワレラヒカリノミチヲフム。
歳は世紀に曾つて見ぬ石竹いろと湿潤と人は三年のひでりゆゑ食むべき糧もなしといふ稲かの青き槍の葉は多く倒れてまた起たず六条さては四角なる麦はかじろく空穂しぬこのとききみは千万の人の糧もてかの原に亜鉛のいらか丹を塗りていでゆの町をなすといふこの代あらば野はもつて千年の計をなすべきに徒衣ぜい食のやかららに賤舞の園を供すとか。
漢子称して秘処といふその崖上にたどりしに樺柏に囲まれてはうきだけこそうち群れぬ漢子首巾をきと結ひて黄ばめるものは熟したりなはそを集へわれはたゞ白きを得んと気おひ云ふ漢子が黒き双の脚大コムパスのさまなして草地の黄金をみだるれば峯の火口に風鳴りぬ漢子は蕈を山と負ひ首巾をやゝにめぐらしつ東に青き野をのぞみにと笑みにつゝ先立ちぬ。
歪むガラスのかなたにて藤をまとへるさいかちや西は雪ぐも亙せるに一ひらひかる天の青ひるげせはしく事終へてなにかそぐはぬひとびとの暖炉を囲みあるものはその石墨をこそげたり業を了へたるわかものの官にあるは卑しくて一たび村に帰りしはその音づれも聞えざりたまさかゆれしひばの間を茶羅紗の肩をくすぼらし校長門を出で行けばいよよにゆがむガラスなり。
あらめの衣身にまとひ城より城をへめぐりつ上慢四衆の人ごとに菩薩は礼をなしたまふ(われは不軽ぞかれは慢こは無明なりしかもあれいましも展く法性と菩薩は礼をなし給ふ)われ汝等を尊敬す敢て軽賤なさざるは汝等作仏せん故と菩薩は礼をなし給ふ(こゝにわれなくかれもなしたゞ一乗の法界ぞ法界をこそ拝すれと菩薩は礼をなし給ふ)。
ひかりわななくあけぞらに清麗サフィアのさまなしてきみにたぐへるかの惑星のいま融け行くぞかなしけれ雪をかぶれるびやくしんや百の海岬いま明けてあをうなばらは万葉の古きしらべにひかれるを夜はあやしき積雲のなかより生れてかの星ぞさながらきみのことばもてわれをこととひ燃えけるをよきロダイトのさまなしてひかりわなゝくかのそらに溶け行くとしてひるがへるきみが星こそかなしけれ。
そらのふちは沈んで行き、松の並木のはてばかり黝んだ琥珀をさびしくくゆらし、その町のはづれのたそがれに、大きなひのきが風に乱れてゆれてゐる。
あかりつぎつぎ飛び行けば赭ら顔黒装束のその若者こゝろもそらに席に帰れり衢(まち)覆ふ膠朧光や夜の穹窿を見入りつゝ若者なみだうちながしたり大森をすぎてその若者ひそやかに写真をいだし見まもりにけりげに一夜写真をながめ泪ながし駅々の灯を迎へ送りぬ山山に白雲かゝり夜は明けて若者やゝに面をあげ田原の坂の地形を説けり赭ら顔黒装束のその隼人...
百合掘ると唐鍬をかたぎつひと恋ひて林に行けば濁り田に白き日輪くるほしくうつりゆれたる友らみな大都のなかに入学の試験するらんわれはしも身はうち疾みてこゝろはも恋に疲れぬ森のはていづくにかあれ子ら云へる声ほのかにてはるかなる地平のあたり汽車の音行きわぶごとしこのまひる鳩のまねして松森のうす日のなかにい...
嘆きあひ酌みかふひまに灯はとぼり雑木は昏れて滝やまた稜立つ巌や雪あめのひたに降りきぬ「ただかしこ淀むそらのみかくてわがふるさとにこそ」そのひとりかこちて哭けば狸とも眼はよぼみぬ「すだけるは孔雀ならずやああなんぞ南の鳥をここにして悲しましむる」酒ふくみひとりも泣きぬいくたびか鷹はすだきて手拭は雫をおとし...
霧降る萱の細みちにわれをいぶかり腕組めるなはたくましき漢子かな白き上着はよそへどもひそに醸せるなが酒をうち索めたるわれならずはがねの槌は手にあれどながしづかなる山畑に銅を探らんわれならず検土の杖はになへども四方にすだけるむらどりの一羽もために落ちざらん土をけみして培の企画をなさんつとめのみさあればなれよ高萱の群うち縫へるこのみちをわがためにこそひらけかし権...
夕陽は青めりかの山裾にひろ野はくらめりま夏の雲にかの町はるかの地平に消えておもかげほがらにわらひは遠しふたりぞたゞのみさちありなんとおもへば世界はあまりに暗くかのひとまことにさちありなんとまさしくねがへばこころはあかしいざ起てまことのをのこの恋にもの云ひもの読み苹果を喰めるひとびとまことのさちならざればまことのねがひは充ちしにあらぬ夕陽は青みて木立はひかりをちこちながるゝ草取...
われ聴衆に会釈して歌ひ出でんとしたるとき突如下手の幕かげにまづおぼろなる銅鑼鳴りてやがてジロフォンみだれうつわが立ち惑ふそのひまに琴はいよよに烈しくてそはかの支那の小娘とわれとが潔き愛恋をあらぬかたちに歪めなし描きあざけり罵りて衆意を迎ふるさまなりきそを一すぢのたはむれとなすべき才もあらざればたゞ胸あつく頬つりて呆けたるごとくわが立てばもろびとどつと声あげ...
森の上のこの神楽殿いそがしくのぼりて立てばくわくこうはめぐりてどよみ松の風頬を吹くなり野をはるに北をのぞめば紫波の城の二本の杉かゞやきて黄ばめるものはそが上に麦熟すらしさらにまた夏雲の下青々と山なみははせ従ひて野は澱めどもかのまちはつひに見えざりうらゝかに野を過ぎり行くかの雲の影ともなりてきみがべにありなんものをさもわれののがれてあればうすくらき古...
さやかなる夏の衣してひとびとは汽車を待てども疾みはてしわれはさびしく琥珀もて客を待つめりこの駅はきりぎしにして玻璃の窓海景を盛り幾条の遙けき青や岬にはあがる白波南なるかの野の町に歌ひめとなるならはしのかゞやける唇や頬われとても昨日はありにきかのひとになべてを捧げかゞやかに四年を経しにわが胸はにはかに重く病葉と髪は散りにきモートルの爆音高く窓...
最も親しき友らにさへこれを秘してふたゝびひとりわがあへぎ悩めるに不純の想を包みて病を問ふと名をかりてあるべきならぬなが夢の(まことにあらぬ夢なれやわれに属する財はなくわが身は病と戦ひつ辛く業をばなしけるを)あらゆる詐術の成らざりしより我を呪ひて殺さんとするか然らば記せよ女と思ひて今日までは許しても来つれ今や生くるも死するもなんぢが曲意非礼を忘れじもしなほなれ...
鉛のいろの冬海の荒き渚のあけがたを家長は白きもんぱしてこらをはげまし急ぎくるひとりのうなゐ黄の巾をうちかづけるが足いたみやゝにおくるゝそのさまををとめは立ちて迎へゐる南はるかに亙りつゝ氷霧にけぶる丘丘はこぞはひでりのうちつゞきたえて稔りのなかりしを日はなほ東海ばらや黒棚雲の下にして褐砂に凍てし船の列いまだに夜をゆめむらし...
アリイルスチュアール一九二七(房中寒くむなしくて灯は消え月は出でざるに大なる恐怖の声なしていま起ちたるはそも何ぞ!……わが知るものの霊よ何とてなれは来りしや?)(君は云へりきわが待たば君も必ず来らんと……)(愛しきされど愚かしき遙けくなれの死しけるを亡きと生けるはもろ共に行き交ふことの許されねいざはやなれはくらやみにわれは愛にぞ行くべかり)...
(四月の夜、とし老った猫が)友達のうちのあまり明るくない電燈の向ふにその年老った猫がしづかに顔を出した。
雪のたんぼのあぜみちをぞろぞろあるく烏なり雪のたんぼに身を折りて二声鳴けるからすなり雪のたんぼに首を垂れ雪をついばむ烏なり雪のたんぼに首をあげあたり見まはす烏なり雪のたんぼの雪の上よちよちあるくからすなり雪のたんぼを行きつくし雪をついばむからすなりたんぼの雪の高みにて口をひらきしからすなりたんぼの雪にくちばしをじつとうづめしからすなり...
火皿は油煙をふりみだし、炉の向ふにはこの家の主人の膝が大黒柱を切って投げ出しどっしりがたりと座ってゐる。
ひとびと酸き胡瓜を噛みやゝに濁れる黄の酒の陶の小盃に往復せりそは今日賦役に出でざりし家々より権左エ門が集め来しなれまこと権左エ門の眼双に赤きは尚褐玻璃の老眼鏡をかけたるごとく立つて宰領するこの家のあるじ熊氏の面はひげに充てり榾のけむりは稲いちめんにひろがり雨は※[#「さんずい+堂」、U+6F1F、197-12]々青き穂並にうち注げりわれはさながらわれにもあらず稲の品種をもの云へば或いはペ...
ひとひははかなくことばをくだしゆふべはいづちの組合にても一車を送らんすべなどおもふさこそはこゝろのうらぶれぬるとたそがれさびしく車窓によれば外の面は磐井の沖積層を草火のけむりぞ青みてながる屈撓余りに大なるときは挫折の域にも至りぬべきをいままた怪しくせなうち熱り胸さへ痛むはかつての病ふたゝび来しやとひそかに経れば芽ばえぬ柳と残りの雪のなかばはいとしくなかばはかなしあるいは二列の...
濁みし声下より叫ぶ炉はいまし何度にありや八百といらへをすれば声なくて炭を掻く音声ありて更に叫べりづくはいまし何度にありや八百といらへをすればまたもちえと舌打つひゞき灼熱のるつぼをつゝみむらさきの暗き火は燃えそがなかに水うち汲める母の像恍とうかべり声ありて下より叫ぶ針はいま何度にありや八百といらへて云へばたちまちに階を来る音八百は何のたはごと...
序論……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……農民芸術の興隆……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……農民芸術の本質……何がわれらの芸術の心臓をなすものであるか……農民芸術の分野……どんな工合にそれが分類され得るか……農民芸術の諸主義……それらのなかにどんな主張が可能であるか……農民芸術の製作……いかに着手しいかに進んで行ったらいいか……...
兜の尾根のうしろより月天ちらとのぞきたまへり月天子ほのかにのぞみたまへども野の雪いまだ暮れやらずしばし山はにたゆたひおはす決然として月天子山をいでたち給ひつゝその横雲の黒雲のさだめの席に入りませりけり月天子まことはいまだ出でまさずそはみひかりの異りて赤きといとど歪みませると月天子み丈のなかば黒雲にうづもれまして笑み給ひけりなめげにも人々高くもの云ひつゝ...
いたやと楢の林つきてかの鉛にも続くといへる広きみねみち見え初めたればわれ師にさきだちて走りのぼり峯にきたりて悦び叫べり江釣子森は黒くして脚下にあり北上の野をへだてて山はけむりそが上に雲の峯かゞやき立てり人人にまもられて師もやがて来りたまふにみけしき蒼白にして単衣のせなうるほひ給ひきわれなほよろこびやまず石をもて東の谷になげうちしにその石遙か下方にして戞として樹をうちまた茂...
そらの微光にそゝがれていま明け渡る甲板は綱具やしろきライフブイあやしく黄ばむ排気筒はだれに暗く緑する宗谷岬のたゝずみと北はま蒼にうち睡るサガレン島の東尾や黒き葡萄の色なして雲いとひくく垂れたるに鉛の水のはてははや朱金一すぢかゞやきぬ髪を正しくくしけづりセルの袴のひだ垂れて古き国士のおもかげに日の出を待てる紳士あり船はまくろき砒素鏡をその来し...
馬行き人行き自転車行きてしばし粉雪の風吹けり絣合羽につまごはき物噛むごとくたゝずみて大売り出しのビラ読む翁まなこをめぐる輻状の皺楽隊の音からおもてを見れば雲は傷れて眼痛む西洋料理支那料理の三色文字は赤より暮るゝ馬が一疋東へ行く古びた荷繩をぶらさげて雪みちをふむ引いて行くのはまだ頬の円いこども兵隊外套が長過ぎるので繩でしばつてたごめてゐる政友会の親分...
ドツテテドツテテ、ドツテテド、でんしんばしらのぐんたいははやさせかいにたぐひなしドツテテドツテテ、ドツテテドでんしんばしらのぐんたいはきりつせかいにならびなし。
せなうち痛み息熱く待合室をわが得るや白き羽せし淫れめのおごりてまなこうちつむりかなためぐれるベンチにはかつて獅子とも虎とも呼ばれいま歯を謝せし村長の頬明き孫の学生を侍童のさまに従へて手袋の手をかさねつゝいとつゝましく汽車待てる外の面俥の往来して雪もさびしくよごれたる二月の末のくれちかみ十貫二十五銭にていかんぞ工場立たんなどそのかみのシャツそのかみの外套を着...
白人白人いづくへ行くやこゝを溯らば毒の滝がまは汝を膨らまし鰐は汝の手を食はんちがひなしちがひなしがまは汝の舌を抜き鰐は汝の手を食はん白人白人いづくへ行くやこゝより奥は暗の森藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさんちがひなしちがひなし藪は汝の足をとり蕈は汝を腐らさん白人白人いづくへ行くやこゝを昇らば熱の丘...
青ざめた薄明穹の水底に少しばかりの星がまたたき出し、胡桃や桑の木は薄くらがりにそっと手をあげごく曖昧に祈ってゐる。
普通中学校などに備え付けてある顕微鏡は、拡大度が六百倍乃至八百倍ぐらいまでですから、蝶(ちょう)の翅(はね)の鱗片や馬鈴薯の澱粉粒などは実にはっきり見えますが、割合に小さな細菌などはよくわかりません。
地球照ある七日の月が、海峡の西にかかって、岬の黒い山々が雲をかぶってたゞずめば、そのうら寒い螺鈿の雲も、またおぞましく呼吸するそこに喜歌劇オルフィウス風の、赤い酒精を照明し、妖蠱奇怪な虹の汁をそゝいで、春と夏とを交雑し水と陸との市場をつくる……………………きたわいなつじうらはっけがきたわいなオダルハコダテガスタルダイト、ハコダテネムロインデコライトマオ...
〔冒頭欠〕たいエゴイストだ。
マークのついた作品は著作権が存続しています。 詳細は 青空文庫公式サイトの取り扱い基準 をご確認のうえ、取り扱いの際は十分注意してください。