30分以内で読める青空文庫の短編作品（67ページ目）

『改造』十月号に藤森成吉が「転換時代」という小説を書いている。

壁と天井が白く塗ってあるので、狭い屋内は妙に明るく見えるが、数個の電灯の燭光はさほど強くない。

人間ぎらい、という人は、いないとみた方が本当だろう。

国際雪氷委員会（International Commission of Snow and Ice）は、ごく最近まで国際雪及び氷河委員会（International Commission on Snow and Glaciers）という名前で、国際水文学協会（International Association of Hydrology）の一部となっていた。

本話寒い風に黄ばんだ木の葉がばらばらと散っていた。

海に近く、昔の城跡がありました。

一九四九年の春ごろから、ジャーナリズムの上に秘史、実録、実記と銘をうたれた記録ものが登場しはじめた。

香玉労山の下清宮といふは名だゝる仙境なり。

勝川のおばさんという名がアンポンタンに記憶された。

はしがき橋本進吉博士は、昭和十二年九月、「岩波講座国語教育」に、「国語学と国語教育」を執筆せられ、国語学と国語教育との交渉、並びに、国語学の国語教育への寄与する点を明かにせられた。

「絵を描きたくたって、絵の具がないんだからな。

この頃私は逢ふ人ごとにモオリアックの小説論の話をしてゐる位だ。

母一人娘一人の暮しであった。

文登の周生は成生と少い時から学問を共にしたので、ちょうど後漢の公沙穆と呉祐とが米を搗（つ）く所で知己になって、後世から杵臼の交といわれたような親しい仲であったが、成は貧乏であったから、しょっちゅう周のせわになっていた。

遠望であるから細かいところは見えないものと承知していただきたい。

晩秋のある夜、例の如く私が法医学者ブライアン氏を、ブロンクスの氏の邸宅に訪ねると、氏は新刊のある探偵小説雑誌を読んでいた。

暑い暑い言うたのも束の間にてもはや秋風たちはじめ、この頃では朝夕膚さむいようになりましたが、まことに久しくおたよりも致さず、あね様はじめ小さい菊ちゃんにもお変りもあらせられませんか。

Ｍ君は語る。

平安朝の前半期には專ら漢文學が行はれ、後半期には國文學が興つたが、此の國文學が興つたのは漢文學の刺激に依るのである。

日清戦争の終った年というと、かなり遠い昔になる。

唐宋時代といふことは普通に用ふる語なるが、歴史特に文化史的に考察すると、實は意味をなさぬ語である。

早稲田の森の青春早稲田に入ったのは、大正六年で学校騒動で永井柳太郎、大山郁夫氏等が教授をやめられた年の九月であるが、早稲田を志望したのは早稲田は大隈重信侯が、時の官僚の軍閥に反抗して学問の独立、研究の自由を目標として創立した自由の学園であるという所に青年的魅惑を感じて憧れて入学したのである。

はなしのはじめは三木武吉と頼母木桂吉の心臓の出来あんばいから語りだすことにしよう。

片岡君は又禁酒を思い立った。

夫妻夫の同僚茶の間朝妻（チヤブ台の上に食器を並べながら）あなた、さ、もう起きて下さい。

源泉小学校は大伝馬町の裏にあって、格子戸がはまった普通の家造りで、上って玄関、横に二階をもった座敷と台所。

（クリスマスのお話）ひろいひろい海にむかった、きゅうな海岸の上に、森があります。

先日、カサリン・マンスフィールドの短篇集を読む機会があって大変たのしかった。

禮嚴法師歌集の初にしるしおく文。

昨今、作家が一般大衆の生活感情と自分たちとの繋りについて関心を示すようになって来ると同時に、文壇を否定する気分がはっきり云われはじめた。

永禄四年の夏のことであった。

窓というものが、これほどたのしいものとはまだ知らなかった。

患者としてはこの病院内で一番の古顏となつたかはりに、私は思の外だんだん快くなつて行つた。

天の原かかれる月の輪にこめて別れし人を嘆きもぞする私たちがこの人生に生きていろいろな人々に触れあうとき、ある人々はその感情の質が大変深くてかつ潤うているのに出会うものである。

世間ではもちろん、専門の学生の間でもまたどうかすると理学者の間ですら「相対性原理は理解しにくいものだ」という事に相場がきまっているようである。

元禄年間のことであった。

鶴子からの手紙だつたので彼は、勇んでＹ村行の軽便鉄道に乗つた。

廃工場の町少年たちは、遊び方に困っていたし、また遊ぶ場所もなかった。

これらの断片は昭和九年九月の初旬母が重態に陥ったときから十月の初旬その最後のときまでのあいだに書かれたものである。

帷子姿の半身トントントントントントン……トン。

小さい就職常次は東京へ來て三日目に職業がきまつた。

この頃はとんだ人間がはやるので、その一人は唐人お吉という淫売女、早く外国人に春を鬻（ひさ）いだということが景物になっている。

面積の厚み宮本百合子或る年の冬が、もう少しで春と入れ換ろうとしていたある朝のことである。

雨が、さつと降出した、停車場へ着いた時で――天象は卯（う）の花くだしである。

永いあいだの失業から生活難に追われて焦燥し、妻のヒステリーはひどくこうじて来た。

自分の故郷は日向國の山奧である。

綽名だけは一人前――悪党きどりの不良少年――母島村長の懇望から三十人をけふ島送り――。

世界情勢の高速度的推移の中には、今ごろヴェルダンの戦場を見物したりすることを何だか Up-to-date でなく思わせるようなものがある。

私は先般イサム・ノグチ展というものに誘われたが、熱心に辞退して、難をのがれた。

范（はん）十一娘は※城［＃「田＋鹿」、330-1］の祭酒の女であった。