5分以内で読める青空文庫の短編作品（92ページ目）

東京に於ける學校の主もなるものは、幾んど城北の臺地に集まれり。

先づ最初に、「孔雀船」の詩人伊良子清白氏の自傳を再録して置かうと思ふ。

神奈川県足柄郡下足柄村十三部落［＃この行はゴシック体］七月十三日夜小田原町の有力者が人をひくために小田原町会、足柄村会を動かし、足柄村のかんがいに一番大切な用水土地を掘る！そして、上水道に向けることにする。

美人画といって画家が美人を専門に描くようになったのは日本では浮世絵以後のことだろうと思われますが、浮世絵画家のうちで私は春信と長春が好きです。

明治四十五年の夏、われ箱根山下の湯本村にありて、聖上陛下御重病の飛報に接し、夢かとばかり打驚きぬ。

これも大国主命が、八千矛をつえについて、国々をめぐって歩いておいでになる時のことでした。

ふいご、初めの日は面白くてたまらぬ、ぶうぶうと、少年の細腕にありたけの力をしぼって、押したり引いたりした。

実家を離れて、ひとり住ひをして見ると、私は祖母のことを往々思ひ出す、一昨年の春、七十余歳の老衰病で静かに歿くなつた母方の祖母である。

ほのかなるものゆめはうつつにあらざりき、うつつはゆめよりなほいとし、まぼろしよりも甲斐なきはなし。

舞子の停車場に下りた時は夕暮方で、松の木に薄寒い風があった。

北海に愚魚ありその名をほっけという肉は白きこと雪片を欺き味はうすきこと太虚に似たり一片の三石の昆布一滴のうすくちの醤油真白なる豆腐にわずかなる緑を加うくつくつと貝鍋は煮え夜は更けて味いよいよ新たなりまだ子供たちが幼かった頃、うまくだまして、早く寝つかせた夜は、奥の六畳の長火鉢で、よく貝鍋をつついた。

江東水の江村の、あのおびただしい蓮が、東京灣の潮がさして枯れさうだといふ、お米も枯れてしまつたといふ、葛飾の水郷もさうして、だん／″＼と工場町になるのだらう。

私は物を書く時、面白い構想が浮ばないとか、筋が纏（まと）まらないとかいうような場あいには、六朝小説を出して読む。

誰よりも一番親孝行で、一番おとなしくて、何時でも学校のよく出来た健吉がこの世の中で一番恐ろしいことをやったという――だが、どうしても母親には納得がいかなかった。

吾儕（わがせい）のこの新聞紙を発兌するや、まさに以て海内三千五百万の兄弟とともに共に向上の真理を講求して、以て国家に報効するあらんと欲せんとするなり。

私の故郷の家の、うしろの方に森に囲まれた古沼がある。

○手帖、（やすものの人造皮の表紙）その間から新聞の切抜カストダアカストする（歯車でも何でも）そのキカイとカストとを二つながら製造する目ろみ、○「まだ関西にもこれはないそうですからいろいろ研究しているんです、しらんぷりして。

世界が到るところで大きい動きと変化とをみせていて、この状態はおそらく五年や六年でおさまるものとは考えられない。

正ちゃんは、やんまを捕りました。

自分で思ひ立つて映画を観に行つたことはまづないと云つていゝ。

作品をよんだ上での感想として、ゴーリキイが中篇小説において長篇小説よりすぐれた技術、味いを示し得ていることを感じるのは恐らくすべての読者の感想ではないでしょうか。

序文人及び詩人としての薄田泣菫氏を論じたものは予の著述を以て嚆矢とするであらう。

ある日・近頃、大衆小説を読んであまりこころよく思わないことがある。

李（り）さんが、この町にすんでから、もう七、八年になります。

筆名の由来をよく訊かれる。

山形県には、秋田県へかけて、室町時代の芸能に関した民俗芸術が多く残つて居ります。

□今月号は大変後れてしまひました。

ここに集められている宮本顕治の諸評論は、凡そ一九二九年頃から一九三二年三月頃まで、略三年間に書かれたものである。

昭和三十三年十二月家のない私は三十前後のころ谷中の真如院という寺に仮寓していた。

今度岡倉一雄氏の編輯で『岡倉天心全集』が出始めた。

鶴見橋といふ名前があるからには、比治山に鶴が舞っていたのだらう。

今度満洲の特に北満に居住するロシア人の日常生活を視る機会を得て感じたのは、民衆の娯楽といふことである。

干ものの美味いのに当ったよろこびは格別である。

生活の感情は実にまざまざと複雑になって来ている。

「貧しき人々の群」は一九一六年、十八歳の秋に発表された。

いまごろ、みんなは、たのしく話をしながら、先生につれられて、知らない道を歩いているだろうと思うと、勇吉は自分から進んで、いきたくないと、こんどの遠足にくわわらなかったことが、なんとなく残念なような気がしました。

夏の晩方のことでした。

いま浜田山の庭にある棗の木は私にとつては三本目の棗である。

川の辺に、一本の大きなくるみの木が立っていました。

よく肉親の身の上に変事があると、その知らせがあると云いますが、私にもそうした経験があります。

偉大なる過去を背景に持っている国民は勢いのある親分を控えた個人と同じ事で、何かに付けて心丈夫である。

私は渓谷がすきで、よくあちこちに出かけた。

……何故われらの芸術がいま起らねばならないか……曾ってわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きてゐたそこには芸術も宗教もあったB※chner明治維新以前家屋衣服食物労働宗教音楽舞踊芝居遊楽創造経済の変動に伴ふ所有衝動の発達科学による急激な技術の進歩による機械的の設計田植踊節句祈願植物医師の例労働は古に遡るに従って漸く非労働となる如何にして労働が発展し来れるや解し難きものあり蓋し原始人の労...

磁印、陶印取り混ぜ六顆をご紹介する。

むかし、但馬国におまつられになっている出石の大神のお女に、出石少女という大そう美しい女神がお生まれになりました。

さうですね、避暑についての話と言つても、別に面白いこともありませんね。

江戸時代の怪談劇は、大抵六、七、八の三月のあいだを択んで上場されたようである。

私は皆さんに精神病院へ入院されんことをおすゝめしたい。

新築地の「建設の明暗」はきっと誰にとっても終りまですらりと観られた芝居であったろうと思う。

二三日前の或る温かなぽかぽかするやうな午後、僕はうかうかと三宅坂から赤坂見付まで歩いてしまつた。